まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

親の介護を巡る兄弟姉妹間のトラブルを避けるポイント

介護家族兄弟姉妹トラブル解消イメージ
ある日突然始まった介護は、準備や心構えができていない状況の中で起こるため、本人や家族は心身共に混乱します。
混乱の中での兄弟姉妹間のトラブルはよくある例です。だからこそ、事前にできることはしておきましょう。

事前にできること

親の介護が始まる前に、以下のことを兄弟姉妹間でよく話し合い、もしもに備えておきましょう。

1.おおよその役割分担を決めておこう
2.介護についての親の考えを聞いておこう
3.介護にかかる費用の出所を確認しておこう

では、具体的な対策・準備はどうすればいいのでしょうか?

1.おおよその役割分担を決めておこう

それぞれが役割を担えるように分担することで、不公平感をできるだけ小さくすることが必要です。
介護を引き受ける人だけの負担が重くならないように、交代で行うことや、直接介護ができないなら金銭面でサポートするといった役割分担を行いましょう。

【母の介護 分担例】

(家族構成)
母:78歳(大阪在住)
  長女:(滋賀県在住)   
  次女:(大阪府在住)    
  三女:(埼玉県在住)   

【長女:介護のサポート】
大きな出費が発生する場合の判断を行います。
大きな出費とは、入院費や介護用品の購入、家のメンテナンス費用など。
土日が休みの仕事であるため、休日には介護や家事を担います。

【次女:主介護者】
身体状態によって利用する介護サービスの判断などを行います。
母の近所に住んでいて、仕事がサービス業で土日が休みではない反面、平日にいろいろと動きやすい状況です。
母も次女とは一番話しやすく、信頼をしており、日常の金銭管理も次女が行います。

【三女:介護のサポート】
遠距離地域在住のため、介護そのものは担当しないが、母の生活にかかる日用品の購入とその費用を負担します。
お米やよく使う調味料、トイレットペーパーや洗剤など、ネット通販を利用して購入し、送っています。

それぞれの状況に応じて役割分担をし、主介護者を労いましょう。

2.介護についての親の考えを聞いておこう

自分に介護が必要な状態になったら、できる限り自宅で介護を受けたいのか、施設で介護のプロに任せたいのかなど、親の思いを聞いておくと、少なくとも子どもたち同士の意見調整で揉めることは避けられます。

【母の意向に沿った介護例】

(家族構成)
母:84歳 ひとり暮らし
  長男:(近距離別居)   
  長女:(遠距離別居)   

母は長年にわたり足腰に持病があるが、家の中での生活は、何とかひとりでできる状態でした。
外出時は、杖やシルバーカーを使い、本人も不安を口にすることもありました。
そして母は「ひとりでお風呂に入ることができなくなったら、民間の老人ホームで暮らしたい。」と言いました。
2人の子は、その意向を受け止め、それぞれの自宅近辺で良さそうなホームを探し始めました。
当初の本音は、施設介護に、長男は反対、長女は賛成と意見が分かれていたため、兄姉だけの意見だけではまとまらなかった可能性が考えられます。

母の意見を聞くことにより、介護施設や介護サービスについての情報収集ができ、母に合った老人ホームに入居できそうですね!

3.介護にかかる費用の出所を確認しておこう

実際に親の介護がはじまったとき、費用をどうするのか、決めておくことが必要です。
親の年金や預貯金だけで賄うことができるのか、できないのなら兄弟姉妹で分担して支払うのかなど、事前に話し合っておくとよいでしょう。
親の介護では、お金の問題が兄弟姉妹間のトラブルにつながりやすいのです。

【事前に話し合っておく介護の例】

父:84歳 ひとり暮らし
収入:年金月16万円 預貯金:約200万円 自宅は持ち家
長男:(近距離別居)
次男:(遠距離別居)

食費や光熱費などの生活費は、年金だけで生活可能な状態です。
介護が必要になっても、在宅で公的介護保険のサービスのみであれば、年金内での生活ができると想定しています。
しかし、固定資産税などの一部税金や冠婚葬祭費用などは預貯金から捻出していて、1年間に10万円ほど目減りしています。
また、病気やケガで入院が必要になったときの費用も預貯金からの捻出が必要になると考えられます。
それにより、子どもたちは事前に話し合い、入院費などの大きな出費のときは、子どもたちで等分に負担することをあらかじめ決めています。

まとめ

兄弟姉妹それぞれに自分の生活があります。
仕事や子育てが忙しく、介護に時間が割けない、配偶者の親の介護と重なっているなど、さまざまな事情があります。
親の面倒を最後までみてあげたいけれど、金銭的に余裕がないという方もいるでしょう。
それぞれが抱えた事情を話し合いで打ち明け、お互いが譲り合える部分や譲れない部分を出し合いながら、最も良い方法を見つけることが必要です。
介護が可能か不可能かではなく、親の介護に対しての正直な気持ちを話し合うということが大切です。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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