まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

親が「デイサービスに行きたがらない」ことで困っていませんか?

悩む高齢者

介護認定を取得して、いよいよ介護サービスを利用しようと思ったのに、「デイサービスなんか行きたくない」と嫌がる親。珍しい話ではありません。拒否する理由はさまざまですが、ちょっとしたきっかけで通えるようになる事もあるようです。今回はそんな親御さんのデイサービス利用に成功した事例を踏まえながら、楽しく通ってもらうためのポイントをご紹介します。

デイサービスを拒否する理由

行くのを拒否する理由はさまざまなことが考えられます。

慣れない環境で不安

デイサービスの利用を始めてまだ日が浅い場合、環境そのものに慣れていないケースが多くあります。リラックスできない、疲れてしまう、などといった理由から、デイサービスを拒否することがあります。

面倒、家にいたい

デイサービスでは、他の利用者との歓談や食事に加え、入浴や健康状態を確認したり、レクリエーションなどを行ったりします。その内容はその日によっても、施設によっても異なりますが、デイサービスで行われることを「せわしない」「落ち着かない」と感じる方もいるようです。

そもそも若い頃からあまり人と接するのが好きではなかった方や、落ち着いてゆっくりと過ごしたいという方などは、デイサービスを面倒だと感じやすい傾向にあります。

施設での人間関係があまりよくない

デイサービスでは、他の利用者の方とゲームをしたり、歌を歌ったりと交流があるのが基本です。相性が良くない利用者がいたり、トラブルを起こして溝ができていたりなど、デイサービスでの人間関係があまりよくないために拒否しているケースもあります。

知らない人に迷惑をかけたくない

ひとりで日常生活を送ることが難しくなってしまっても、できるだけ人のお世話にはなりたくないと思っている方は多いものです。デイサービスでは、入浴や食事の介護などをスタッフの方が行ってくれますが、知らない人に迷惑をかけることが負担になり、デイサービスに行くことを拒否しているケースもあります。

デイサービス利用に成功した事例をご紹介

ちょっとしたきっかけでデイサービスに行くようになった方々の体験談をご紹介します。

事例① Aさんの場合

どんなに説得してもデイサービスに行ってくれなかった85歳の義父が、利用することになったきっかけは、訪問看護で来てくれた明るく元気な看護師さんとの信頼関係からでした。
デイサービスに行きたくなかったのは、定年後、家族以外の人との交流がなく、これから新しい環境に入っていく勇気がなかったのだと思います。それが、週に1回の訪問看護サービスでの看護師さんとのコミュニケーションが、他人との環境に入る第一歩になったようです。また、その看護師さんの対応がとても気持ちの良い方で、タイミングよく『デイサービスでいろんなゲームや体操をすると、楽しくて元気になりますよ』と言われて、通う勇気が自然に出てきたようです。

事例② Bさんの場合

父がデイサービスを利用してくれるようになったきっかけは、父の性格をよく知ってくれている、ケアマネジャーさんの気遣いからでした。
父は、面倒見がよく、頼られると断れない親分気質。そこで、デイサービスの一日見学を設定し、『いろいろ大変な人がいるから、お手伝い気分で行ったらどうかな』と薦めてもらいました。デイサービスで、できないことをしてもらうということではなく、まだできることを人のために役立ててもらうために行くと伝えてもらいました。
行き始めれば、結構楽しいようで、今では前日から準備をしています。デイサービスに行った日は大体機嫌がいいです。もちろん今でも文句は色々言っていますが、休まずに行くし、何か用事が入りそうになると、「デイサービスの日以外にしてくれ」と言いますので、楽しんでいるのだと思います。

事例③ Cさんの場合

76歳の母はデイサービスに行くことを完全拒否。はじめは送り迎えまでして無理やり通ってもらったデイサービスで、母の「やりがい」が見つかったことから通ってくれるようになりました。
母は、『そんなとこ行くくらいなら、死んだほうがマシ!』とデイサービスを完全拒否。何度説得して契約しても、お迎え当日には体調が悪いなどと、理由をつけてぐずぐずしている、そんな感じでした。しかし私もフルタイムで働いていますから、デイサービスに行ってもらわなければ困ります。そこで私が送り迎えし、時にはデイサービスで数時間一緒に過ごしました。数回続いたころ、スタッフの方から「お母さんはとても世話好きですね。お仕事を作ってやってもらいましょう。」と提案がありました。洗濯物のタオルを畳むという仕事です。そんなことで、行く気になるのかと思いましたが、今では『私が行かないと、みんなが困るからね』と言い、週5日通うようになりました。
誰でも新しい環境に入るのは不安だと思います。楽しいところで、しかも必要とされている、そういう感覚を持ってもらうと、受け入れやすいかなと思います。

楽しく通ってもらうためのポイント

デイサービスは心身機能の向上や健康維持にも役立つほか、引きこもりや孤独感の解消、認知症予防、家族のレスパイトケア介護負担軽減など様々な効果が期待できます。
また、新たな趣味や生きがいにつながったり、家族以外の方々との交流が生まれ、生活にメリハリができます。このようなデイサービスのメリットが最大限に発揮されるためには、やはり好きな場所で楽しく通えるようになることが前提となります。

そのために以下の3つが大切なポイントとなります。

  • 通いたくなるデイサービスを見つける

  • 契約前に必ず見学する

  • ポジティブな印象づけをする

さいごに

家族がデイサービスを勧めると、厄介払いしたくて言っているように受け止められてしまうかもしれません。でも、信頼する他人から言われると、すんなり受け入れてくれることもあるようです。また、最近は利用者さんが好んで通いやすいように、レクリエーションとして、さまざまな特色やニーズに特化したデイサービスのメニューが増えています。通う本人の性格や趣味にあわせて、どんなところなら興味をもって楽しく通えるのか、しっかりと見極めてからデイサービス施設を選んでみてはいかがでしょうか。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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