まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

親が「デイサービスに行きたがらない」ことで困っていませんか?

悩む高齢者

介護認定を取得して、いよいよ介護サービスを利用しようと思っていたのに、「デイサービスなんか行かない」と頑なになる親。珍しい話ではありません。拒否する理由はさまざまですが、ちょっとしたきっかけで通うようになる事もあるようです。今回はそんな親のデイサービス利用に成功した事例をご紹介します。

デイサービス利用に成功した事例① Aさんの場合

どんなに説得してもデイサービスに行ってくれなかった85歳の義父が、利用することになったきっかけは、訪問看護で来てくれた明るく元気な看護師さんとの信頼関係からでした。
デイサービスに行きたくなかったのは、定年後、家族以外の人との交流がなく、これから新しい環境に入っていく勇気がなかったのだと思います。それが、週に1回の訪問看護サービスでの看護師さんとのコミュニケーションが、他人との環境に入る第一歩になったようです。また、その看護師さんがとても気持ちの良い方。タイミングよく『デイサービスでいろんなゲームや体操をすると、楽しくて元気になりますよ』と言われて、通う勇気が自然に出てきたようです。

デイサービス利用に成功した事例② Bさんの場合

父がデイサービスを利用してくれるようになったきっかけは、父の性格をよく知ってくれている、ケアマネジャーさんの気遣いからでした。
父は、面倒見がよく、頼られると断れない親分気質。そこで、デイサービスの一日見学を設定し、『いろいろ大変な人がいるから、お手伝い気分で行ったらどうかな』と薦めてもらいました。デイサービスで、できないことをしてもらうということではなく、まだできることを人のために役立ててもらうために行くと伝えてもらいました。
行き始めれば、結構楽しいようで、今では前日から準備をしています。デイサービスに行った日は大体機嫌がいいです。もちろん今でも文句は色々言っていますが、休まずに行くし、何か用事が入りそうになると、「デイサービスの日以外にしてくれ」と言いますので、楽しんでいるのだと思います。

デイサービス利用に成功した事例③ Cさんの場合

76歳の母はデイサービスに行くことを完全拒否。はじめは送り迎えまでして無理やり通ってもらったデイサービスで、母の「やりがい」が見つかったことから通ってくれるようになりました。
76歳の母は、『そんなとこ行くくらいなら、死んだほうがマシ!』とデイサービスを完全拒否。何度説得して契約しても、お迎え当日には体調が悪いなどと理由をつけてぐずぐずしている、そんな感じでした。しかし私もフルタイムで働いていますから、デイサービスに行ってもらわなければ困ります。そこで私が送り迎えし、時にはデイサービスで数時間一緒に過ごしました。数回続いたころ、デイサービスの方から、こんな提案がありました。「お母さんはとても世話好きですね。お仕事を作ってやってもらいましょう。」と。膨大なタオルを畳むという仕事です。そんなことで、行く気になるのかと思いましたが、今では『私が行かないと、みんなが困るからね』と言い、週5日通うようになりました。
誰でも新しい環境に入るのは不安だと思います。楽しいところで、しかも必要とされている、そういう感覚を持ってもらうと、受け入れやすいかなと思います。

さいごに

家族がデイサービスを勧めると、厄介払いしたくて言っているように受け止められてしまいがちですが、信頼する他人から言われると、すんなり受け入れてくれることもあるようです。通う本人が楽しく通えるように、ご本人の性格を見極めながら、通えるきっかけを探してみてはいかがでしょうか。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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