まごころ介護のお役立ちコラム
MAGOCORO COLUMN
年金暮らしの親でも大丈夫?扶養控除の条件・節税額の目安を詳しく紹介
「家計の負担を減らしたいけれど、親を扶養に入れられるのかしら?」介護や高齢期を迎える中で、こうした疑問を持つ人は少なくありません。
一口に「扶養」といっても、「税金の扶養」と「社会保険の扶養」という二つの制度があり、それぞれ目的や条件、家計への影響は異なります。
今回は、混同されがちな二つの扶養制度について、基本的な違いと押さえておきたいポイントを分かりやすく整理します。
目次
扶養とは、自身の収入で自立して生活することが難しい親族に対し、経済的に援助して生活を支えることを指します。
扶養には2種類あり、税金(所得税・住民税)上と社会保険(健康保険)上に分かれています。
この2つを混同すると、現場でも誤解が生じやすいので注意が必要です。
税金の扶養控除とは、一定の条件を満たす親を扶養している場合、所得税・住民税が軽減される制度です。年末調整や確定申告で申告することで適用されます。
親が扶養控除の対象になる条件
同居していなくても、仕送りや生活費の援助があれば「生計を一にしている」と判断されるケースもあります。また、義理の両親も対象となります。
親が、青色申告者の事業専従者として給与を受け取っている。あるいは、白色申告者の事業専従者である場合は、扶養控除の対象になりません。
令和7年12月の税制改正により、令和7年分から「年間の合計所得金額」が、48万円以下から58万円以下に引き上げられました。基準が緩和されたことで、家計の負担をより広く軽減できるようになっています。
親の年齢や同居の有無によって、控除額は異なりますが、一定額の所得控除が受けられるため、税負担の軽減につながり、手元に残るお金が増えます。
国民健康保険に加入している高齢者は、年金収入が少なくても毎月の保険料負担があります。親を健康保険の扶養家族にすることで、親の健康保険料の負担を減らせます。
親を健康保険の扶養に入れる主な条件
別居の場合は、親の年収を上回る額の「仕送り」をしている証明が必要です。銀行振込の控えなど「いつ・誰が・いくら送ったか」がわかる公的な記録が必須となります。手渡しは認められないため、施設入居を機に振込に切り替えるなど、早めの準備をしておきましょう。
「親が自分の年収だけで自立して生活できる状態ではない」と判断されるための基準です。ご自身の収入と親御さんの年金受給額を照らし合わせ、「子が親の生活費を主に負担している」という実態を確認しましょう。
具体的には、親の年収が扶養者(子)の年収の半分未満であり、かつ親の生活費を補うための「定期的かつ継続的な仕送り」が行われているかどうかがチェックされます。
「手渡し」はNG
生活費の実態を確認する際、健康保険組合などは「通帳のコピー」や「振込明細」を求めます。現金での手渡しは証拠が残らないため、必ず銀行振込を利用しましょう。
「仕送り額」の根拠
「たまにお小遣いをあげる」程度では認められません。毎月決まった額を、親の口座へ送金している実績が必要です。
なお、別居している場合は条件がさらに厳しくなり、「仕送り額 > 親の年収」であることが求められます。つまり、「子が送っている金額が、親自身の年金などの収入を上回っている」ことが、扶養認定の大きな目安となります。
60歳以上または障害者の場合は「年収180万円未満」が基準となります。税金の計算とは異なり、非課税である「遺族年金」や「障害年金」も収入に含まれる点に注意して確認しましょう。
親の収入が扶養条件を満たすかどうかの最終判断は、ご自身が加入している健康保険組合が行います。また、親御さんが75歳以上になると、全員が「後期高齢者医療制度」に加入するため、お子さんの健康保険(社会保険)の扶養には入れなくなります。この場合は「税金の扶養控除」のみが対象となります。
親を扶養に入れるメリット ◎親の健康保険料の負担がゼロになる
◎親を扶養に入れても子の保険料は増えない
◎親は保険料なしで保険診療が受けられる
親を扶養に入れるデメリット・注意点 ◎高額療養費制度の自己負担限度額が高くなる
高額療養費制度は、世帯の所得区分によって限度額が決まります。健康保険の扶養に入ることで、子の所得区分が適用され、限度額が高くなる場合があります。
寡婦控除は、夫と死別・離婚後に再婚していない女性が、一定の要件を満たす場合に受けられる所得控除です。こちらも覚えておくとよいでしょう。
◎離婚後再婚していない方で、扶養親族がいること
◎死別後再婚していない方、または夫の生死が明らかでない方 (扶養親族の有無は問わない)
所得制限の緩和
令和7年分の所得税より、扶養親族の所得基準がこれまでの「48万円以下」から「58万円以下」へ引き上げられました。これにより、これまで対象外だった方も控除を受けられる可能性が広がっています。
「ひとり親控除」との使い分け
生計を一にする「子」がいる場合は、より控除額が大きい『ひとり親控除(所得税35万円控除)』が優先されます。お子さんが独立している場合などに、この「寡婦控除(所得税27万円控除)」が活用できます。
住民税への影響
寡婦控除が適用されると、所得税だけでなく住民税も安くなります。さらに、合計所得が135万円以下であれば住民税そのものが「非課税」になるケースもあり、家計へのメリットは大きくなります。
―引用元・参照WEBサイト
国税庁|No.1180 扶養控除
国税庁|No.1170 寡婦控除
扶養には「税金」と「健康保険」の2種類があり、メリットと注意点は制度ごとに異なります。税金の扶養控除では所得税・住民税が軽くなります。
一方、社会保険の扶養控除では、健康保険料の負担が減らせます。条件と影響範囲を確認し、家族の状況に合わせ整理することが重要です。
公開日:2026年2月4日 更新日:2026年2月9日