まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

自分らしい最期を迎えるための終活(生前整理・お墓)


終活と聞いて「遺言書を書いておけば大丈夫!」と思う方も多いでしょう。しかし「遺言書」は亡くなった後の相続財産について文章で親族へ遺しておくものです。一方、終活は自分の身の回りについて「生前整理」しておくことです。でも、いざ終活しようとしても、何をすればいいのかわからない方も多いはず。そこで、今回は終活の必要性や、事例から考える目的、ポイントをご紹介します。

なぜ生前整理は必要なの?

人生の節目となるタイミングにおいて、身の回りを整理して不要なものを処分し、必要なものだけを残しておくことは、遺された家族や親族に迷惑をかけないことにも繋がります。
家の中には自分が思っている以上に不用品があるものです。そのため、早めのタイミングで始めることをお勧めします。

  • 書類の整理

    通帳、保険証、保険証券、年金手帳、公共料金関連書類などは死後、早い段階で手続きが必要なため、整理してノートに書き留め、1ヵ所にまとめておくとよいでしょう。書き留めたノートの置き場所は、信頼できる人に伝えておくのもひとつです。すでに期限の切れた契約書類等や現在は自宅にない電化製品などの保証書(取扱説明書)は破棄しておきましょう。

  • 財産の整理

    株券や債券、不動産の登記簿など財産となるものはまとめ、1)と同じようにノートに書き留めておきましょう。株券等は証券会社から運用報告書等が送られてきますので、ファイリングするなど工夫しましょう。使っていないクレジットカードは解約しておくとよいでしょう。

  • 借金などの整理

    ローンを組んでいる場合は契約書類等をファイリングしておきましょう。マイナスの遺産は相続時にトラブルになりやすいので明確にし、遺族にわかりやすいようにしておくことが大切です。

  • 形見分けの整理

    大切にしている品物、貴金属や衣類、骨董品など形見分けしたいものを選別し、クリーニングしたり修理したりして、それらの品物を誰に形見分けしたいかリスト化しておきましょう。あまりに高い品物は贈与税の対象となることもあるため、注意が必要です。

  • SNS等のアカウントの整理

    ブログやツイッター、Facebookなどのアカウントを持っている場合はIDとパスワードをメモしておきましょう。

  • パソコン等の片づけ方

    スマートフォンやパソコンに入っている写真や動画などのデータやメールはDVDに残すなど整理しておきましょう。また、誰にも見られたくないデータがある場合は早めに処分することをお勧めします。また、パソコンで購入が可能な通信販売の定期購入等をしている場合は、購入先のIDやパスワードなども残しておけば、死後に親族が解約手続きをするのに便利でしょう。

  • 不用品の処分

    「いつか使うかも」「いつか着るかも」と、ずっとしまいこんでいるものはありませんか。ここ数年使わなかったものは、思い切って処分しましょう。ネットオークションやリサイクルショップ、買取業者などを利用し、お任せするのもお勧めです。

エンディングノートを利用してみよう

「エンディングノート」は、いずれ訪れる死に備え自身の希望などを書き留めることが目的でしたが、最近では認知症や突然の事故などに備え、意思表示が出来なくなったときに希望を書き込んでおくためにも使われています。

「伝えておきたい」大切なことは、エンディングノートなどに残し、家族と共有しておくとよいでしょう。

エンディングノートに記載したい主な項目・書き方

エンディングノートは自由に書く内容を決めることができますが、中には「何を書けばいいかわからない」という人も多いことでしょう。そこで、記載したい内容の一例を挙げてご紹介していきます。

  • 基本情報

  • 遺言書の有無

  • 預貯金

  • 不動産

  • 株式・投資信託など

  • その他の資産

  • 人に貸しているお金

  • 生命保険

  • PC・携帯電話

  • ローン・サブスクリプション

  • 葬儀・納骨・埋葬の希望

  • 親戚・知人・友人・勤務先の連絡先

  • ペットについて

  • 家族へのメッセージ

上記の内容はあくまで一例なので、必ずしもすべての項目が必要なわけではありません。
自分にとって必要な項目をピックアップしてエンディングノートを作成してみてください。

2つの場面から考える整理の目的とポイント

片付ける人

親のために実家を整理したい娘・息子世代の場合

悩みどころ

ものがあふれた実家で親が転んでケガをしないか心配です

実家がものにあふれた状態であるため、帰省した際に何とかしたいと思っています。懐かしいけど、すでに使わなくなった品々があふれています。親だけでは片付かない、ものにつまづいて転んでケガをしないかなど心配は尽きません。要るもの、要らないものに対する価値観を押し付けず、上手に進めるためにはどうすればよいですか。

目的とポイント

家族の交流場所をつくる

まずは親と片付けのゴールを共有するところから始めましょう。「散らかっているから」「危ないから」などという一方的な伝え方では、たとえ家族であってもトラブルになってしまいます。
例えば「孫が遊べる場所をつくる」や「家族の思い出を整理する」という共通の目的をつくってみましょう。
大事なのは親が気持ちよく暮らしていけるかどうかです。そのため、捨てたくないという親の気持ちは大切にしてあげましょう。大切なのは親子のコミュニケーションです。

〇オススメは写真の整理から

昔の家族の記憶はもちろん、自分たちが知らない親の人生を一緒に振り返ることができるチャンスです。

実家の片付けNGワード

  • どうせ使わないんでしょ

  • どうしていつまでも取っておくの

  • いらない物が多すぎ

  • いつか使うっていつ使うの

  • 結局困るのは私たちなんだから

  • 昔は片付いていたじゃない

老後のために整理整頓したいシニア世代の場合

悩みどころ

家の中でも動くことが面倒になり、決まった場所にいることが多くなった

年を重ねるとすぐに動くということが面倒になってきて、ついつい動かなくてもいい場所に必要なものを置いてしまいがちです。
そのため、部屋にはどんどんものが溢れ、不用品に気づかなかったり、同じようなものがあちこちに散乱しています。どこから手を付けたらいいか分からず、楽に片付けるにはどうすればよいでしょうか。

目的とポイント

セカンドステージのための生前整理

生前整理は後ろ向きなものではなく、すっきりとさせることで心が前向きになり、これからの人生をより楽しく過ごすという目的があります。特に思い出のものは「手放せない」と悩む方も多いのですが、手放すことだけを考えずに、家中にある思い出のものを集めて「思い出箱」をつくることから始めてみましょう。

〇後悔のない片付けをするために...

「いる、いらない」だけで判断せずに
「いる、いらない、迷い、移動」の4種類を活用しましょう。

お墓も整理?最近の新しい供養のカタチ

墓参りをする人
最近では、少子化も進み、後継者がいない・子どもに負担をかけたくないなどの理由から墓じまいをしたり、もともとお墓を作らないといった自由な供養のカタチに注目が集まっています。
どんな方法があるのかご紹介しましょう。

  • 永代供養

    お墓参りをする人がいない、またお墓参りに行けない人に代わり、寺院や霊園が管理や供養をしてくれる埋葬方法です。遺骨の安置期間には一定の期限が設けられています。必ず事前に確認しておきましょう。期限を過ぎた遺骨は、多くの場合、合祀され他の遺骨とともに永代供養墓などで供養が行われます。
    (費用)数万円~数百万円

  • 散骨

    故人の遺体を火葬した後、骨を粉末状にし、故人の思い入れのあった場所(海や空、山中など)に遺灰をまく方法です。大切なペットと一緒に入れるところもあります。
    (費用)5万円~数十万円

  • 樹木葬

    墓石の代わりに、樹木を墓標として遺骨を土に還す自然葬のひとつです。自然を生かした里山形や霊園内に区画を設けた公園型などがあり、遺骨ごとに苗木を植えたり、大きな樹木を墓標として周りに合同で埋葬したりと様々な形があります。
    (費用)30万円~70万円程度

  • 手元供養

    故人の骨をお寺などに納骨せず、全てもしくは一部を自宅で保管する供養方法です。埋葬や散骨する場合は分骨証明書というものが必要ですが、手元に置いておく分には手続きなどの必要はありません。手元供養のカタチは様々で、きれいな容器やオブジェなどに入れて置いたり、ペンダントタイプにして肌身離さず身に付けることもできます

墓じまいの手続きと流れ

それでは、現在ある先祖代々のお墓はどうすればよいのでしょうか。
継承が難しくなった場合など、放っておけば荒れ果てて無縁墓となり、ご先祖様に申し訳なく、お寺や霊園にも迷惑となります。そうならないために、どうすればよいでしょうか。

墓じまいの手続きと流れ

墓じまいとはお墓を撤去し、なくすことです。お墓から取り出した遺骨は、永代供養などをします。
その手続き方法や流れについてお伝えします。

  • 親族と話し合いをする

    墓じまいをするときは、必ず親族と話し合うようにしましょう。お墓を継いでいる立場であったとしても、お墓は家族を象徴する意味もあります。わずらわしいと思わずにみんなの想いを聞いてみましょう。

  • お寺や霊園に伝える

    親族間の合意が得られれば、お寺や霊園に墓じまいの旨を伝えましょう。この時、「埋葬(納骨)証明書」を交付してもらいます。また、新たな納骨先には「受入申請書(永代供養許可書)」を交付してもらいます。

  • 改葬許可申請をする

    遺骨を他の場所に移す場合は、「改葬許可証」が必要です。必要書類をそろえ市町村に申請を行います。なお、墓じまいをした後に自宅供養あるいは散骨をするのであれば「改葬許可証」は必要ないとされています。それぞれの方法によって対応が異なりますのでしっかり確認してください。

  • 石材店を決める

    墓石の撤去作業をお願いする石材店を選びます。お寺や霊園側が石材店を指定していないのであれば、複数の石材店で見積もりを取りましょう。

  • 遺骨の取り出し・解体

    住職などにお経をあげてもらい(魂抜き)、遺骨を取り出します。遺骨は石材店に依頼して取り出してもらいます。長い間お墓の中に安置されていた遺骨は、水が溜まっていたり、カビが生えていることもあるのでキレイにしてあげましょう。

仏壇じまいの方法

仏壇の処理についてもご紹介します。

閉眼供養(へいがんくよう)

仏壇を新しく購入したときには、開眼供養(かいがんくよう【魂入れ】)を行っているため、仏壇に魂が入っています。閉眼供養を行うには、お葬式や法事でお世話になった菩提寺に連絡を取りお願いすることが一般的です。

仏壇を処分する3つの方法

依頼先 費用相場 メリット デメリット
お寺に引き取ってもらう 要確認 閉眼供養後引き取ってもらえる場合がある 費用が菩提寺により異なる
仏具店に
引き取ってもらう
2万円~8万円程度 宗派などによる制約がない 費用が比較的高い
粗大ごみとして
処分する
500円~2000円程度 費用が安い 収集不可の市町村もあり

さいごに

今回は、自分らしい最期を迎えるための終活についてご紹介しました。
終活は、ご自身がこれまでの人生を振返り、これからの人生をより充実させること、そして遺された家族が困ることのないように備える大切な活動です。
ご家族ともぜひご相談頂いて、各ご家庭に合った選択を話し合われてください。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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