まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

高齢者のひとり暮らしに安心を。
「見守りサービス」の活用

訪問サービス
増加していく高齢者のひとり暮らし。身近な家族や社会ができることはなんでしょうか。
離れて暮らす親を呼び寄せる、入居できる老人ホームを探す等の選択肢もありますが、高齢者が住み慣れた土地から引っ越すことはリスクがあります。親が自宅を離れたくないという気持ちがある場合は、可能な限り現状を維持することも選択肢のひとつです。そんなときに利用したいのが「見守りサービス」です。それぞれのご家庭の状況や目的によって、どのような見守りサービスが合っているのか検討する必要があります。今回は見守りサービスを選ぶポイントについてご紹介しましょう。

65歳以上の「ひとり暮らし」高齢者の動向

65歳以上のひとり暮らしの高齢者の増加は男女ともに顕著に見られます。平成17(2005)年には男性約105万人、女性約281万人、高齢者人口に占める割合は男性9.7%、女性19%でしたが、平成32(2020)年には男性約217万人、女性約450万人に達し、高齢者人口に占める割合は男性13.9%、女性21.9%となる見通しです。
高齢になっても、健康で安全にひとり暮らしを続けていくには、何らかの配慮や支援が必要です。

あなたの両親の見守り必要度は?


①〜③に当てはまれば、絶対必要です!!他2つ以上当てはまれば見守りを強化する必要があります。

見守りサービスとは?

親の暮らしを守る見守りサービス(緊急通信サービスなど)

現代社会の中で、都市化や急激な高齢化により地域や親族間のコミュニティが希薄になり、支え合いの力が弱まっています。私たち子世代にとっては、親の住まいが遠距離の場合や日中親がひとりの場合はなおさら心配です。高齢者がひとりで生活をしていると気づかないうちに病気が進行していたり、特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれるなどのリスクがあります。その備えとして挙げられるのが「家族との同居」ですが、仕事や家庭の事情で難しい場合もあるでしょう。そこでおすすめするのが、「見守りサービス」です。「見守りサービス」は国や自治体、そして民間が様々な取り組みサービスを提供しています。様々なサービスを知ることでそれぞれの家庭にあった対策を検討することができるでしょう。ここではサービスの一部をご紹介します。

見守りサービスには、「センサー型」「カメラ型」「IOT型」「訪問型」など、さまざまな種類があります。一般的には、24時間の安否確認、緊急時の駆けつけ、定期的な訪問などのサービスを受けられます。見守りたい方の状況によっては、複数のサービスを組み合わせるのも効果的です。

①〜④とは別途、宅配型として公的機関と連携したサービス

①郵便局のみまもりサービス「みまもり訪問サービス」【訪問型】

サービス詳細

  • 月1回、郵便局社員などがご利用者宅などへ直接訪問します。

  • 訪問時の30分の中で、「固定の基本質問項目(7項目)+選択可能な質問項目(3項目)」の合計10項目の質問を実施します。

  • ご利用者の生活状況はご家族などのご指定いただいた報告先へメールなどでご連絡します。

・毎月の訪問時には、脳トレや健康体操などをご紹介する情報誌をご利用者に手渡しでお渡し
・健康、医療、介護に関するご相談に看護師等の専門スタッフが24時間、年中無休で対応する「24時間健康相談」を無料で利用可能
・月額2,500(税込)

上記サービス・金額は2021年11月現在のものです。
詳しくはお客様サービス相談センター「0120-232-886」
携帯電話から「0570-046-666(通話料有料)」まで

お申込みに必要なもの

  • 申込者及び利用者、報告先となる方の「氏名」「住所」「電話番号」「生年月日」

  • 報告先となる方の「メールアドレス」

  • 郵便局の窓口で申し込む場合:ゆうちょ銀行口座の記号番号、お届け印

  • インターネットで申し込む場合:ゆうちょ銀行口座の記号番号、キャッシュカードの暗証番号

②セコム・ホームセキュリティ「安否みまもりサービス」【センサー型】

  • 「セコム・ホームセキュリティ」の基本サービス

    • 在宅時/外出時の防犯

    • 非常通報

    • 火災監視

  • 「セコム・ホームセキュリティ」のオプションサービス

    オプションサービスの利用には基本サービスのご契約が必要です

    • 安否みまもりサービス

      室内の人の動きをセンサーで確認。一定時間内に動きを確認できないと、異常信号をセコムに送信します。

    • ガス漏れ監視サービス

    • 救急通報サービス

■安否みまもりサービス

サービス詳細

  • 生活導線(トイレなど)にセンサーを設置

  • 一定時間動きが無い場合は異常信号がセコムに送信され、セコムで確認

  • 対処員(警備員)が駆け付け適切な対応をする

・買い取り料金:月額3,000 円(税抜) 初期費用・買い取りシステム料金が別途かかります
・レンタル料金:月額4,400 円(税抜) 初期費用・工事料・保証金が別途かかります

上記金額は、オプションサービスの「救急通報(マイドクター)」、「安否みまもり」を含む「親の見守りプラン セコムホームセキュリティスマートNEO」プラン例です。
上記サービス・金額は2021年11月現在のものです。
詳しくは「 0120-756-892(セコム㈱ お問い合わせ窓口 受付時間:9時~18時 ※年末年始を除く)」まで

■救急通報サービス

【 救急通報(マイドクター) 】
ペンダント型の救急通報ボタン。
ボタンを軽く握るだけの簡単操作。
万一の発作や急病時の際、救急信号をセコムに送信できます。

③ラムロック「みまもりCUBE」【カメラ型】

サービス詳細

  • 玄関や寝室にカメラを設置

  • 転倒予防のために徘徊、離床を検知する

  • 異常を検知した際は画像つきメールや、スピーカーで音声通知をする

みまもりCUBEはカメラ・スピーカー・マイク・検知サーバー・モバイルルーターを
ひとつにまとめたオールインワンカメラです

主な機能

  • ライブ映像の確認

  • 録画(4 日間保存)の確認

  • 検知時に画像付メール・あらかじめ録音した音声の再生でのお知らせ

  • 呼びかけ(android 端末のみ)

  • 集音

① 介護保険適用商品 「ラムロックアイズ みまもりCUBE」

  • 要介護2 以上からご利用可能

  • 要介護2 以下の場合でも、軽度者申請/ 例外給付等で認められる場合があるためケアマネジャーへ要相談

  • 料金はレンタル福祉用具貸与事業所により異なる

  • 上記の主な機能をすべてご利用可能

②「 みまもりCUBE」

高齢者の見守り / ひとりきりの子どもの見守り / ペットの見守り など
【みまもりプラン】
 料金:月額3,900 円~
 ※機能:ライブ映像、録画の確認、呼びかけ、集音
【検知プラン】オプション
 みまもりプランに検知オプション機能を追加することが可能
 料金:みまもりプラン月額3,900 円+検知オプション月額1,000 円+容量追加日額1,000 円

検知機能について:設置場所で一番多いのは「玄関の出入り検知」です。自宅から出る際の画像付メールが届くため、
万一徘徊した場合でも、時間や服装がわかるため、早期発見につながります。(岐阜県警察本部認定)
docomo のsim カード内蔵のため、設置場所にインターネット環境が不要です。詳しくは 「0120-927-760」まで

④象印マホービン「みまもりほっとライン」【IoT型】

サービス詳細

  • 離れて暮らすご家族に「iポット」が届きます
    設置工事不要
    届いたらその日からご利用開始

  • 1 日2 回ポット使用状況メールを受取ります。
    ご契約者専用ページで過去1 週間の使用状況履歴を閲覧し生活リズムを確認する

  • ポットの使用状況で何か異変に気づいたら、ご家族で対処をする

・契約料(初回のみ):5,500 円(税込)   
・サービス利用料  :3,300 円(税込)/ 月 ※iポット1台につき
 ポットはレンタル(新品) (2021年11月現在)
・オプション :メールアドレス追加1件につき 110 円/ 月(税込)
 ※2件まで追加可能

詳しくはお客様ご相談センター「0120-950-555」まで
携帯電話、PHSの方は「0120-145-770」まで

⑤生協「地域見守り活動」【宅配型】

サービス詳細

  • 生協の宅配、夕食宅配をお届け

  • ポストに「郵便物がたまっている」などの異変を感じた際、
    事前に取り決めた連絡先に連絡・通報する

  • (緊急)消防・警察
    (様子が違う場合)地域配送→センター長→地域包括支援→センター等に伝え、自宅訪問

生協が、自治体や社会福祉協議会などと連携する「地域見守り協定」締結数が全市区町村数の61.2%となる1,065 市区町村に到達(2018年5月現在)

全国で、1,000万世帯以上にご登録いただいている生協の宅配や夕食宅配では、基本的に毎週同じ曜日(夕食宅配では週5日)の同じ時間に、同じ担当者が商品をお届けしています。各地の生協では高齢の組合員に日々接する機会も多く、「ポストに郵便物がたまっている」「お届けした商品に手が付けられていない」などの異変を感じた際に、事前に取り決めた連絡先に連絡・通報を行っています。

見守りサービスを選ぶポイント

本人の意思を尊重する

見守りサービスを選ぶ際は、必ず本人の意向を確認するようにしましょう。親を危険から守りたい気持ちはわかりますが、それが家族側の都合にならないよう、介護を受ける親自身が何を希望するのか、どのようなサービスであれば抵抗がないのかを話し合いましょう。

状況や目的に合わせて選ぶ

本人の健康状態や、要介護度・持病などをふまえ、目的にあったサービスを選ぶことが必要になります。例えば、24時間見守りが必要なのか、それとも週一回程度の確認でいいのかといった具合です。
カメラでの見守りや通知をしてくれるサービスなどさまざまな形態がありますので、親の性格等も考慮したサービスを選ぶとよいでしょう。
以下では、見守りサービスの利用を検討している高齢者の3パターンを紹介します。一例としてお役立てください。

家族と同居している場合

高齢者が家族と同居しいている場合でも、見守りサービスの検討は必要でしょう。なぜなら、家族が仕事に出ている日中など、高齢者がひとりになる時間があるためです。

特定の時間のみ見守りサービスを利用する場合は、スイッチのオン・オフができるカメラやセンサーによる見守りや、食事や郵便物の配達時間に安否を確認する宅配型のサービスなどが適しています。

家族が遠方に、ひとり暮らしをしている場合

子どもや家族が遠方に暮らして、高齢者がひとり暮らしをしている場合は、見守りサービスを活用するのがおすすめです。遠方に暮らす家族へ通知が届くため、定期的に状況を確認することができます。
この場合は、24時間の見守りサービスや、センサーやボタンによる緊急通報システムなどの導入を検討するとよいでしょう。ポットを使用すると通知が届くIOT型の見守りサービスを利用すれば、いつもの時間に通知が来ない場合は電話をかけるといった対応が取れます。

認知症の場合

高齢者が認知症を患っている場合は、徘徊のリスクに備えて、GPS端末を持たせることで現在地をパソコンやスマホから確認することができるでしょう。

その他に、ガスの消し忘れを知らせるサービスやカメラでの見守りサービスを活用し、高齢者の安全確保に努めましょう。自治体によっては、認知症患者にGPS端末のレンタルや定期訪問を行っているため、利用するのもおすすめです。

費用・予算に合わせて選ぶ

見守りサービスは、「24時間対応」などの安心を優先すると、費用が高くなる場合もあります。あまり費用が高すぎると親が気を遣う可能性もあります。

長期的に利用することも考えて、経済的に無理のない範囲でサービスを選ぶことも必要でしょう。

操作が簡単なものを選ぶ

サービスによっては、親が何かする必要はなく、子に通知が届くサービスもありますが、中には親自身がボタンを押すなどの操作が必要な場合があります。
せっかく機器を設置したのに全く使っていないといった状況にもなりかねませんので、高齢者でも無理なく使える機器を用いたサービスを選ぶとよいでしょう。

迷ったときは専門家に相談する

目的や費用を考慮しても、どのサービスを選べばいいのか迷ってしまう場合は専門家に一度相談することをおすすめします。

・市区町村役場の窓口
・地域包括支援センター:高齢者の総合相談窓口
・ケアマネジャー

など身近にある相談窓口を利用しましょう。
自治体独自で提供しているサービスや、地域に根差した企業が提供するサービスなど数多くありますので、迷ったときは相談すると良いでしょう。

老人ホームの導入事例

近年では老人ホームでも、人感センサーなどを用いたICTによる見守りサービスを導入するケースが増えています。
実際に老人ホームで導入されているICTの事例と、導入した施設に入居するメリットをご紹介しましょう。

ICTの導入例

近年、入居者の居室に各種センサーや装置を設置して自動で利用者の見守りをするシステムを導入している介護施設が増えています。

・赤外線リモコン
居室内にあるエアコンを遠隔操作するシステム。スタッフが直接居室までいかなくても室温のチェックや調節が遠隔で行えるシステムです。

・バイタル計測器
体温や血圧などを自動で測定して記録することが可能です。スタッフが対面で入居者のバイタルチェックをする必要がなくなります。

・温湿度センサー
居室の温度を湿度を自動で計測する装置です。遠隔操作が可能なエアコンと合わせて活用することで、スタッフによる居室の温度や湿度の管理が可能になります。

・人感センサー
入居者が日々利用するトイレや居室の天井に人の通行を感知する人感センサーを設置することで、離床や在室の把握が可能になります。トイレに設置したセンサーでは緊急の呼び出しであったり、一定時間動きがなかった場合にアラートで知らせてくれます。

・開閉センサー
ドアの開閉を感知するセンサーです。入居者が認知症を患っている場合でも、開閉センサーがあることで徘徊を未然に防ぐことに役立ちます。

ICT導入施設のメリット

これまで老人ホームでの介護は、介護職員の経験則に基づいて行われてきた側面があります。しかし、ICTの導入が進んでいる施設では、データに基づく客観的な介護が提供できる体制が整えられてきているのです。

例えばICT機器で入居者の睡眠状況を記録していれば、不眠傾向の人の日中の活動量を調整するようにアプローチして夜の睡眠の対策ができるでしょう。
また、事故などが起きた際に早期に発見されやすい点もICT導入施設に入居するメリットです。

最後に

今回は高齢者の見守りサービスをご紹介しました。
高齢社会が進み地域との繋がりが希薄な今では、ひとり暮らしをしている高齢者も増加しました。
また、ご家族と同居していても日中ひとりになる高齢者も少なくなりません。ご家族だけではサポートしきれないところも、さまざまなサービスを活用することでカバーできるかもしれません。
室内でのけがや転倒といったトラブルを避けるためにもそれぞれのご家庭に合わせたサポート体制を考えていきましょう。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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