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介護保険を学ぼうシリーズ② 「サービス種類と費用」について解説します!

 

介護保険制度の仕組みを学ぶ
~地域包括支援センター長解説~

第2回は実際に利用できる具体的な介護系サービスについて、目安となる料金も合わせて紹介していきます。
前回第1回に説明しました介護保険サービスを受けるまでの動きを最もスムーズに行うことができる最強の方法は、事業が支援センターやお近くのケアマネージャーにまず相談することです。
当たり前のことですが、日本人は遠慮がちでなかなかできていない人が多いので、覚えておいてください!

~前回のポイント~

勇気を出してまずは相談しましょう!!
前回の記事はこちら→介護保険を学ぼうシリーズ①

訪問サービスについて

まずは自宅で受けるサービスをご紹介しますが、要介護の想定でお話しをします。要支援の場合を話に入れてしまうと少し話がややこしくなるため、あえて省いて要介護1~5の方を想定してお話をします。料金はそれぞれの事業所ごとの加算や地域によっても異なりますのでご注意ください。

まずは、訪問して行うサービスとして訪問介護というサービスがあります。ホームヘルパーが自宅を訪問して支援を行います。支援は大きく分けて2つあります。

身体介護

入浴、排泄、食事など直接身体的な介護を行います。

生活介護

調理、洗濯、掃除、買い物などの生活必需品の買い物などを行います。

おおよそ一回当たりの目安として、身体介護を20分~30分未満で1割負担の方は300円弱ぐらい、生活援助で約200円ぐらいになります。
※これから説明する料金は、1割負担でいくらぐらいですといった表現をしています。
収入によって定められている負担割合のことです。2割負担でしたら2倍、3割負担でしたら3倍といった形で考えてみてください。

各種サービス

訪問看護

疾病などを抱えている方に対して看護師が自宅を訪問して血圧や脈拍などの病状の確認や床ずれ、褥瘡の処置や経管栄養のチューブや尿の管、在宅酸素の機器の管理や医療処置などを行います。料金は、1回あたり30分から1時間未満で1割負担で訪問看護ステーションからの派遣であれば約900円、病院・診療所からの派遣であれば約630円ぐらいです。サービスを担う事業の派遣によって単価が変わっていきます。
地域にどんな訪問看護ステーションがあるのかなどはケアマネージャーと相談してください。
訪問看護は自宅での看取りの際に訪問診療といって、お医者さんが在宅で診療することと併せて緩和ケアチームとして訪問してくれることも増えてきています。自宅での看取りを計画していく際には、とても心強いサービスとなっております。

訪問入浴

介護職員と看護師が自宅に浴槽を持って行って、看護師による健康チェックと入浴、洗髪、清拭の介助を行います。
基本的には3人体制で実施します。1割負担で1回約1400円ぐらいです。

訪問リハビリ

自宅での生活に必要な動きを向上させるために理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問しリハビリを行います。
例えば、手工芸など手先の訓練などの機能訓練やマッサージ運動などによる機能訓練などを行います。1回あたり約300円くらいです。

通所介護(デイサービス)

サービス内容としては、まず施設の車で自宅と施設間の送り迎えのサービスがあります。看護師による健康チェックや機能訓練、食事、入浴、レクリエーションなどの高齢者同士の交流があります。
利用料金については、要介護1~5や利用時間によって異なります。
例えば、6~7時間の枠で1割負担の方が利用した場合、イメージにすると朝9時~夕方16時くらいまでの時間で利用したとして要介護1で約600円ぐらい、要介護5で約1000円ぐらいとなります。これに入浴する方の加算が付いたり、機能訓練する方の加算が付いたり利用するサービスによって若干差が出できます。昼食の提供がある場合が多く、昼食代は、約500~600円程度かかります。これも施設によってまちまちです。そして施設に通うサービスについて通所リハビリに「デイケア」と呼ばれるサービスがあります。
通所介護サービスで行われているサービスに加えて医師の指示に基づく理学療法士、作業療法士などによる生活機能維持向上のための機能訓練を加えたサービスを提供します。実際には、先程ご紹介しました通所介護でもリハビリ機能を行うところがあるので通所介護と通所リハビリは一体どこが違うのかと声も聞こえてきそうですが、よりリハビリに特化した施設が通所リハビリといったところでイメージしていただければわかりやすいと思います。
それぞれの事業所の特徴は、ケアマネージャーさんに情報提供してもらいながら利用について検討していくというのが基本の考え方になってきます。

訪問サービスはとっても便利なサービスですが、介護保険の訪問サービスではできないこともあります。

介護保険の訪問サービスで出来ないこととはどんなこと?


・本人以外の食事作り、洗濯、買い物や本人が使っていない場所の掃除
・日常の家事の範囲を超える行為
→部屋の模様替え、大掃除、ペンキ塗り、庭の水やり
この辺りはケアマネージャーと計画を立てる際に詳しく聞いてみてください。

ショートステイについて

次に施設に泊まれるサービスについてです。ショートステイには細かく言うと、2種類あります。

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期間施設に入所して、生活全般の介護を受けられます。

・料金
1日約630円~930円(要介護1~5)

短期入所療養介護

短期入所生活介護と異なるところは、介護老人保健施設などに入所して医療上のケアを含む介護や機能訓練を受けられるという部分が一般のショートステイと違うところです。

・料金
1日約800円~1030円(要介護1~5)

料金については、短期入所生活介護、短期入所療養介護の両方のサービスともに施設によって異なりますので目安として参考にしてください。

各種サービス

福祉用具貸与

日常生活の自立を助けるための福祉用具を貸し出しサービスです。
例えば、車いすや介護用ベッド、歩行器や工事のいらない簡易的な設置することができる手すり、スロープや多点杖などが対象です。
値段設定は、福祉用具のタイプによって様々で幅がありますので、あくまで目安として見ていただければと思います。
・介護用ベッド(1割負担)1ヶ月:約2000円
・車いす(1割負担)1ヶ月:約500~800円
・歩行器が(1割負担)1ヶ月:約300円
・簡易手すり(1割負担)1ヶ月:約200円~1000円

特定福祉用具購入

心身機能が低下した方に入浴や排せつなどで使用する福祉用具の購入費の一部が支給されます。こちらは10万円が上限で指定を受けた販売業者から購入した福祉用具に限り、購入費が支給されます。
・ポータブルトイレ(1割負担):約3000~10000円
・シャワーチェア(1割負担):約2000~3000円

住宅改修費支給

1人20万円を上限に
①手すりの取り付け
②段差の解消
③滑り防止の床材変更
④開き扉から引き扉への扉交換
⑤和式から様式便器への取り換え
そして①~⑤に付帯する工事について助成する制度になります。
こちらについては、工事が終わっているものは対象にはなりません。あくまで工事を行うといった計画をケアマネージャーや工事施工業者に作ってもらい、市区町村に申請するといった段取りをしっかりと踏んだ場合に対象となります。

まとめ

今回はサービスを知らない人向けにこんなサービスがあるとイメージを持っていただく回でした。
訪問サービスでもショートステイでもさまざまなサービスがある分、それぞれ費用もかかりますので
ぜひ、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談のうえ、それぞれにあったサービスを選択してください。

監修

福井寛之(ふくい ひろゆき)

社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。

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