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介護老人保健施設とは?10分の動画でポイントをわかりやすく解説します!

 

超!わかる 介護施設シリーズ

「10分でわかる介護施設シリーズ③介護老人保健施設」

介護老人保健施設の概要(在宅復帰と在宅療養支援を行うための施設)


 
 対象者は、要介護1以上の方。日常生活動作のリハビリなどを行いながら、在宅生活復帰を目指す施設です。入所中は介護・看護といったサービスに加えて、医師のサポートを受けられます。また理学療法士や作業療法士など、リハビリを行うスタッフが常勤しているのも老健の特徴の一つです。
 
 在宅生活復帰を目的としているため、基本利用は3ヶ月~6ヶ月となります。介護保険法により、老健は以下の5つの区分に分けられています。

  • 基本型

  • 強化型

  • 超強化型

  • 加算型

  • その他型

 3ヶ月ごとに、自宅で生活できるか定期的に検討をします。老健は認知症の方も入所が可能です。
 なかには、認知症ケアを専門とした施設もあるので、どのような対応をするのか事前に確認する必要があります。特定疾病には若年性認知症も含まれており、若年性認知症の方も老健への入所が可能です。
 
 介護老人保健施設の居室や生活設備は基本共有で、個人用の設備はほとんどありません。老健の居室は以下の4種類になります。

  • 多床室

  • 従来型個室

  • ユニット型個室

  • ユニット型個室的多床室

 老健で主に利用されている多床室は、複数人が同じ部屋で共同生活を送る大部屋です。従来型個室やユニット型個室と比べてプライバシーの確保が難しいですが、費用を抑えることができます。

施設を利用するメリット、デメリット

施設を利用するメリット

➀看護・介護サービスに加えて、医師が常勤している上に、看護スタッフも一定数勤務しており、例えば経管栄養であったり、インスリンの注射のような医療対応もできます。
お薬に関しても施設内で処方が可能です。

➁理学療法士や作業療法士など、リハビリを行う専門職が常勤しており、専門的なリハビリが受けることができます。

➂待機期間が短く早く入れるということです。もちろんお医者さんからの診療情報提供書が入所に向けては必要にはなってきますが、介護老人保健施設は、特別養護老人ホームやグループホーム、有料老人ホームといった長くいられる施設に比べて、入所期間が基本3ヶ月と入れ替わりがある程度あるためうまくタイミングさえ合えば、1週間以内に入れたということもあります。このあたりの使い勝手の良い万能さは在宅での生活を一度組み立て直せる大きなメリットになります。

施設を利用するデメリット

➀入所中は医療保険の適用を受けられませんので、原則介護保険の範疇で医療サービスを利用するしかありません。
薬についても施設側が介護報酬で賄うことになります。このため、お薬の費用が高くつくと施設としては、不利益を被ることになります。認知症のお薬、糖尿病のお薬、抗がん剤などの中には高額なお薬もありますので、薬価の高い薬が使えないということもあります。
以前に、そのお薬を使っているのであれば、入所は難しいと言われたことがありました。
なので、お薬については、施設へ情報提供をして判断しておいてもらうことをお勧めします。早めに施設で対応できるお薬なのかどうかを聞いておくことで場合によっては、入所前に在宅での主治医の先生にあらかじめ安価なお薬への変更の相談ができます。

➁入所期間が他の施設に比べて、短いということ
基本的には3ヶ月から6ヶ月なので、ずっと最後までいられる施設ではないということです。

大まかな費用について

税金対策
 
 まず、基本的には介護度によってご利用料金が設定されております。これは、他の特別養護老人ホームや認知症グループと一緒です。お部屋のタイプも従来型個室、多床室、ユニット型個室多床室とそれぞれ違って設定されており、もちろん個室の方が料金も高くなります。
 
 また、受けられるサービスによって加算があり、例えば在宅復帰に向けてリハビリをしっかりと行なった場合に加算されるものなどいろいろあります。その他食費、洗濯代金、理美容代金等実費分もあります費用の軽減措置についても、収入に応じたものがあり、そのあたりは施設へしっかりとご確認ください。
 
 大まかな費用としましては、今までの話のように、介護度、お部屋のタイプ、施設の加算、軽減対象がどうかによっても違ってきますが、介護保険負担割合が1割の方の場合、約7万円台から13万円台程になります。

介護老人保健施設の活用方法

どんな方がどんな風に介護老人保健施設を利用したらいいのか。

 まずは、在宅生活が本人も家族も辛くなってきているが、施設で暮らすことができるのかといった不安のある方がまず施設での生活を3ヶ月だけ試してみようという使い方がおすすめです。
 
 実際に長期間暮らすことができないという拒否のあるご利用者様、ご家族様ともに考えていたケースが過去にいくつもありましたが、実際に施設を1ヶ月、2ヶ月と利用してみて、専門職が困った時には常時そばにいてくれる施設の安心感を実感していただく中で、在宅での生活はそもそも不安だらけ実は危険だらけであったことが分かって施設がその方にとっての当たり前の安心できる居場所になったケースもありました。
 
 一時的にご病気になったり、骨折や脳梗塞の後遺症などお体の正体ADLが自宅での環境では生活が厳しくなっていた方が3ヶ月、6ヶ月と環境の整った老健でリハビリをすることでADLを徐々に改善して自宅に戻って生活ができるようになったケースもいくつかありました。そういった方にとっては、とてもありがたい施設となっております。

 

 介護老人保健施設は、ショートステイもあります。いきなり2ヶ月間という生活は少し不安だという方はまず老健のショートステイを利用してみて、慣れてきたところで、3ヶ月長期で使ってみるといった形でステップを踏んでいくのもいいと思います。
 
 介護老人保健施設は、本当にいろんな目的を持って利用できる万能な施設で、数ヶ月、数年単位で待たなければ、入所できないといった類の施設形態ではないので、知っておいてうまく使うことが非常に大事な施設となります。
 
 介護老人保健施設は、建前上は3ヶ月の利用となっていますが、施設と在宅の中間施設といった言われ方もあり、在宅生活も既に厳しい状況にあり、特別養護老人ホームやグループホームの入所のお声がかかるまで長期間お世話になりたいといった方も入居しております。基本は、3ヶ月毎の利用ですが、なかには1年以上の利用生活せれている方もいらっしゃいます。介護老人保健施設は、うまく利用してその後の人生をじっくり考えるために使える施設となっております。
 
以上、介護老人保健施設の概要でした。

監修

福井寛之(ふくい ひろゆき)

社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。

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