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介護保険を学ぼうシリーズ④ 施設の選び方 特養に早く入れるコツ

 

施設の選び方 特養に早く入れるコツ

今回は、施設編になります。施設ごとの特徴やメリット・デメリットといった形でまとめてご紹介します。
今後の施設選びの参考にしていただければ幸いです。現時点では、こんな施設があるんだというイメージをしておくだけでもいいと思います。最後には、入所希望者殺到する中々入れない特別養護老人ホームに早く入れる可能性を広げるポイントについて紹介します。やれることをやっておくこと、可能性を少しでも広げておくことがとても大事です。これをやることで早くに特別養護老人ホームからお声が掛かった方も実際にいらっしゃいます。
第1回では介護保険制度について、第2回では実際に利用できる具体的な介護保険サービスの種類について・目安となる料金についてご紹介させていただきました。介護保険制度について勉強されたい方は第1,2回をご覧ください。
介護保険を学ぼうシリーズ①
介護保険を学ぼうシリーズ② 「サービス種類と費用」について解説します!

在宅サービスを使うコツについて知りたい方は、第3回をご覧ください。
介護保険を学ぼうシリーズ③ 介護保険サービスを上手に使うコツ実践編

施設の種類について

まず、施設の種類についてお話します。
ちなみに料金についてですが、基本的に施設サービスは施設の種類や要介護度別に定められた1割~3割分の介護保険費用の他に食費と居住費、日常生活費など別途利用者負担があります。なお、食費、居住費については、低所得者に対して減額する制度もあります。
施設入所については、地域によって費用の差が大きいこともあり、一概にいくらくらいという紹介は幅が大きすぎて誤解を招いてもいけないので、費用についてはここでの紹介は控えさせていただきます。

→地域包括支援センターやケアマネージャーに相談、各施設へお問い合わせ頂くことをおすすめします!

最近では施設の紹介業者も複数出てきていますのでそちらにお問い合わせいただいても良いと思います。ここでは施設の特徴やメリット・デメリットという視点で紹介させていただきます。

介護老人保険施設

対象者は、要介護1以上の認定をお持ちの方になります。

サービス内容:リハビリなどを行いながら在宅復帰を目指す。

在宅生活の復帰を目的としているため、3ヶ月ごとにご自宅での生活ができるか定期的に検討をします。

メリット

①介護、看護といったサービスに加えて、医者のサポートを受けることができます。
医師が常勤している上に看護スタッフも一定数勤務していて経管栄養のような本格的な医療措置にも対応できます。

②理学療法士や作業療法士などリハビリを行うスタッフが常勤していることです。
医薬品に関しても施設内で処方が可能です。

デメリット

入所中は医療保険の適用を受けられません。
原則介護保険の範疇で医療サービスを利用するしかありません。

薬についても、施設側の介護報酬で賄うことになります。
このため薬の費用が高くつくと施設しては、不利益を被ることになります。認知症の薬などの中にはとても高額な薬がありますが、それらの薬を使いたくても使えないという事態が発生しても不思議ではありません。以前にその認知症薬を使っているのであれば入手は難しいと言われたこともあります。

介護保険施設は、建前上は3ヶ月間の利用となっていますが、施設と在宅の中間施設といった言われ方もあり在宅生活が既に厳しい状況になり、特別養護老人ホームの入所のお声がかかるまで長期間お世話になりたいといった方も入居されています。
基本的には、3ヶ月ごとのご利用とされていますが、中には1,2年それ以上生活されている方もいらっしゃるのが現実です。

認知症対応型共同生活介護~グループホーム~

対象者は、要支援2又は、要介護1以上の認定の方です。医者による認知症の診断を受けられた方が対象です。

グループホームは、認知症の高齢化に特化した小規模の介護施設で住み慣れた地域で暮らし続けれる地域密着型サービスの1つです。なので、施設と同じ市区町村に住民票がある方が対象になります。

メリット

①認知症介護に特化した介護を受けられること
認知症の方に合わせた環境が用意されており、認知症介護の知識と技術を持ったスタッフが対応します。

②住み慣れた地域で介護を受けられること
認知症の方にとって住み慣れた家を離れて生活することは不安が大きいものです。グループホームは、家庭にできるだけ近い環境で地域社会に溶け込んで生活をすることができます。

③少人数で家庭医的な介護を受けられること
一緒に買い物をしたり、料理を作ったりと生活上の家事全般を職員と一緒に行うことにより認知症のリハビリにもなりますので、より症状の進行を遅らせることができます。

デメリット

①医療ケアの対応の限界があること
看取り介護を行う施設も中にはありますが、そのあたりは入所前に確認しておくといいと思います。

②少人数での生活なので、相性の合わない利用者がいると辛いということ。

サービス付き高齢者向け住宅

対象者は軽介護から重介護まで様々です。

一般型:外部の介護サービスを利用し生活
介護型:内部の介護サービスを利用し生活

特別養護老人ホーム

従来型と地域密着型とがあります。地域密着型は定員29人以下の小規模で運営される特別養護老人ホームですので少人数の入居者に対して同様に日常生活の介護が受けられます。

対象者:常時介護が必要な要介護1~5の方(原則要介護3以上)

サービス内容:日常生活で必要な介護、生活支援全般が受けられる

メリット

費用が安く、24時間体制での介護で、最期の看取りまで対応してくれます。

デメリット

要介護3以上でないと入れない、入居までに時間がかかること。また、医療体制に限界があること。

特養に早く入居するコツ

それは、入居判定基準を知ること!

~判定基準~

・介護度
・待機日数
・居住の状況

必要度を点数化して判定されます!

既に申し込みをされている方は要介護度が上がったら必ず申し込んだ施設に連絡を!
申請した時より介護度が上がっているけど連絡をしていないということがあると、入所判定の点数が上がってこないからです。

これは結構忘れがち!

施設側も言われないと介護度が上がっていることはわかりませんから、基本的なことですが忘れないようにしましょう。
そしてこれから申し込みを行う方は地域の特別養護老人ホームに複数まとめて申請しておくことです。少し手間なのですが一つ二つ申し込んで満足となってしまうとなかなかお声が掛かりません。
あと申し込む施設の順位を考えることです。これはとても大事です。

特別養護老人ホームには定員があります。
施設によっては、A市のベッドが50ベッド、B市のベッドが50ベッドと一見定員100名と思っていても実はそんな内訳の施設もありますので、申込時に確認して定員の枠が多い施設を選ぶ方が確率は上がります。
なので、お住いの住所が対象となっている定員の多いところから順に申し込んでいくのです。

ちなみに私も地域包括支援センター職員として近隣の個々の特別養護老人ホームのベッド数を把握するようにしています。定員を調べたい時は市区町村や地域包括支援センター、ケアマネージャーさんに聞いてみるのをおすすめします!

施設の定員が空くときというのは、その特別養護老人ホームのご利用者様がお亡くなりになった時か長期の入院で対象となる場合がほとんどです。
そこで定員の少ない施設だけを申し込んでいたとしたら、それは声がかかりづらいです。
郊外の田舎の特別養護老人ホームには待機者が少ないといった現状もありますので、少々遠くても、例えば車や電車で通えるのであれば申し込んでおくこともおすすめです!

あとは可能であれば申し込んだ特別養護老人ホームのショートステイなどを利用しておくことです。
どういうことかというと、入所を受ける施設側の気持ちを想像していただければわかると思います。
もしもaさんという候補者とbさんという候補者がいたとして入所の必要度が同じ程度でどちらに声を掛けようか迷う場合があるかもしれません。
全く知らない方に入所のお声かけをするのか、もしくはちょっとでも知っている人にお声がけするのかを考えたときに、例えばショートステイをあらかじめ利用していて、施設で生活することが問題ないということを施設職員が情報として持っていた場合、利用している方の方が受入側としては安心感がありますよね。
こういったシーンは、現場にはあるものです。希望する施設のショートステイをおすすめします!

まとめ

施設は多種多様です!
まずはケアマネージャーや地域包括支援センターに相談してみてください!

また、今回は特別養護老人ホームに早く入るをご紹介いたしました。
ぜひ、参考にして行動を起こしてみてくださいね。

~特別養護老人ホームに早く入る方法~

・早めに、複数に定員の多いところから順に申し込むこと
・待機者の少ない特別養護老人ホームを探すこと
・申し込んだ特別養護老人ホームのショートステイを利用すること
・介護度が上がったらすぐに連絡をしましょう!

監修

福井寛之(ふくい ひろゆき)

社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。

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