まごころ介護のお役立ち動画コラム

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【新人研修シリーズ】看取り介護で最も尊重すべきこと

 

超!わかる 介護施設シリーズ

【新人研修シリーズ】看取り介護で最も尊重すべきこと

「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」。そう思っている高齢者が多くいます。

しかし、人口動態統計によると、日本においてお亡くなりになる場所の7割が病院・診療所です。今回は、看取りで最も尊重すべきことをお伝えします。

看取りで最も尊重すべきこと

自宅でも施設でも、看取りを行う際に最も尊重すべきは「本人の意思」。

主役は利用者であり、ご本人の想いを我々専門職がつないでいくことが大切です。命の期限を延ばせなくても、残りの人生に生きる力を吹き込むことはできるのです。

看取り期における意思確認のプロセス

平成30年の介護報酬改定では、看取りの意思確認をガイドラインに基づいて行うこととされました。利用者の意思が確認できる場合は、利用者の意思を尊重します。

また、病状などで利用者の意思決定が確認できない場合は、家族などに利用者の意思を推定してもらい決定するとしています。

◎親族間で意思を統一するために

看取りについて、親族それぞれで考え方が異なる場合があります。 施設との窓口になる親族をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

~ ある看取りのエピソード ~ 地域包括支援センターに勤める看護師Aさん

 

一人暮らしで身寄りのない利用者が、在宅から緩和ケア病棟へ入院に至るときのこと。在宅ケアをする中、ご本人との関わりの中でAさんは以下のことを知りました。

●これまでの暮らし ●大切にしてきたこと ●最期をどのように迎えたいか
●亡くなった後、どのようなことが不安であるか ●葬儀・お墓はどうするか

これらのことをエンディングノートとしてご本人の同意のもと、一緒に作成されました。

ノートは緩和ケア病棟の看護師、医師へ渡され、それをもとに、病院でもご本人に寄り添ったチームケアで最期を迎えることができたそうです。

命のバトンを次の支援者へうまく繋ぐことができると、在宅から施設に入所しても思いは引き継がれるんだと思います。

利用者とケアマネジャーの関わりが終わったらまた、振り出しに戻る。これは、介護業界の大きな課題の一つです。

施設や病院への入所時に、ケアプランの情報だけではなく、エンディングノートで想いを繋ぐという方法も大きな意味があると感じました。

残された家族の想いと、グリーフケアへの繋ぎ

ご家族に対するケアとして忘れてはならないのがグリーフケアへの繋ぎです。

まず、グリーフケアとは、配偶者や子ども、親や家族、親しい友人などと死別した人が陥る複雑な情緒的状態を分かち合い、深い悲しみから精神的に立ち直り社会に適用できるように支援することです。つまり、大切な人を亡くした悲しみに寄り添う支援です。

多くのホスピス緩和ケア施設で提供されているプログラムには、遺族のサポートグループや電話相談、情報提供、講演会などが実施されています。

地域にどのようなグリーフケアの取り組みがあるのかを介護従事者として知っておいてご紹介できる準備も専門職として必要になってくるのではないかと思います。

参考:埼玉県「介護施設における看取り介護の手引き~現場力を高める~」、「おはよう21」2023.1月号

さいごに

看取りとは、利用者がさいごまで安心して生活できるよう支えることであり、まさしく介護そのものと言えるのではないでしょうか。

「まごころ介護のお役立ち動画コラム」では、介護に関するさまざまな情報を分かりやすく発信しています。ぜひ動画もご視聴ください。(※専門家により解釈が異なる場合があります)

監修

福井寛之(ふくい ひろゆき)

社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。

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