まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

高齢者の薬の管理問題

薬を飲む人

高齢者の方は複数の疾患を治療していることが多く、薬の種類や量が増加するため、薬の管理が大変です。認知症の症状がなくても、薬を飲み忘れたり、飲み間違えたりすることがあります。そこで今回は「適切な服用ができない」、「独居や要介護などで薬の受け取りが困難」、といった問題に対処することができる、在宅訪問サービスについてご紹介します。

知っておきたい薬のトラブルと予防法

いつも家族が付き添える場合はよいですが、ひとり暮らしの高齢者の場合、薬の間違った飲み方によるトラブルが起きやすいため、服用管理は重要です。そこで、正しく薬を服用するための予防法をご紹介します。

起こりやすい薬のトラブル

医師から処方薬を正しい用法で服用しないと、薬の効き目が弱まったり、かえって病状を悪化させてしてしまう事もあります。
まずは起こりやすいトラブルをあげてみましょう。

飲み忘れ/飲み間違い

複数の診療所を受診する事が多くなると、処方される薬も多くなり、服薬管理も複雑になることで、飲み忘れやの飲み間違いが起こりやすくなります。
また、錠剤やカプセルを包装シートのまま飲んでしまう事故が後を絶ちません。

使用期限切れの服薬

薬には使用期限があるので、同じような症状であっても、以前に処方された薬を服用してはいけません。その都度、受診して症状に合った薬をもらいましょう。

飲み合わせ

2種類以上の薬を同時に服用する場合、薬同士が互いに影響し合い、薬の効果が変化し、強く効きすぎたり、効果が無くなったりすることがあります。
また、食品やサプリメントとの飲み合わせによっても同様に、薬が影響し合う事があるため、注意が必要です。気をつけたい代表的な食品は、グレープフルーツ(ジュース)、納豆、緑黄色野菜、牛乳、ヨーグルト、チーズ、カフェイン、アルコールなどです。

副作用

薬を飲んだ時に、必要なところで効果的に働くだけでなく、他のところにも影響をあたえてしまう副作用。ご高齢者の副作用は、重症化することも少なくありません。ふらつき、転倒などの副作用には注意が必要です。
気になる症状が出た場合は、早めに医師や薬剤師に相談しましょう。

薬のトラブル予防法

自宅でご自身や、ご家族の方が、どのように注意したら良いか予防法をあらかじめ考えておくことで、より安全な服薬管理ができるようになります。ぜひ参考にしてみて下さい。

服薬管理のツールを活用する

ピルケースやお薬カレンダーを使用することにより、飲み忘れだけでなく用法も判別しやすくなり、飲み間違いを防ぐことができます。
曜日や時間ごとに分かりやすく仕切られているので、そこに事前に飲むべき薬を入れておくことで管理ができます。

かかりつけ薬局とお薬手帳を使う

複数の医療機関から処方せんをもらう場合でも、薬はかかりつけ薬局を決めて受け取るようにするとよいでしょう。病院や薬局で薬をもらう場合はお薬手帳を持参して、薬効が重複していないか、飲み合わせが悪くないかを薬剤師がチェックしてくれます。かかりつけ薬剤師に薬の効果や副作用について確認してもらうと安心です。
また、お薬手帳を使うことにより、家族や周りの人も一緒に把握することで服薬トラブルを防ぎやすくなったり、お薬手帳に聞きたいことを記入し、薬剤師に相談することもできます。

一包化

薬が多くて飲み忘れや飲み間違いが心配な方などは、かかりつけ薬局で一包化調剤をお願いする方法があります。一包化調剤は、何種類かの薬を服用1回分ずつ1袋にまとめることで、複数の医療機関から処方せんをもらっている場合でも可能です。一包化調剤は有料で、薬の種類によってはできない場合もあります。)

公的保険を活用できるサービス

在宅訪問薬剤管理指導=薬剤師による薬学管理(医療保険のサービス)

処方せんによる調剤・薬剤の配送・服薬説明

かかりつけの医師より処方されたお薬を調剤し、自宅まで届けてくれます。
服用方法・使用方法・効能の質問もできます。

お薬の保管・管理に関する説明・提案

服薬状況・過不足薬の確認をしてもらえます。

[飲み忘れがよくある場合]
・服薬カレンダーの設置
・服用ごとの包装(一包化)

[飲みにくい場合]
・粉薬・液剤へ変更、錠剤の粉砕・溶解にも対応してくれます。

居宅療養管理指導=医師や看護師などによる訪問サービス
(介護保険のサービス)

通院が困難な人でも、自宅で健康管理や指導を受けることができる

要介護1以上の認知症高齢者であれば利用可能
(要支援の方は、「介護予防居宅療養管理指導」というほぼ同様のサービスをうけることが可能)

こんなときに利用できます

・認知症が進んできたひとり暮らしの母。薬をちゃんと飲んでいるか心配。
・ほぼ寝たきりの父を母が介護、実家に帰ると、いつも1つや2つ、床に薬が落ちているので気になっている。

このような場合、上記のサービスをケアプランに組み入れてもらい、健康第一の一環として、薬の服用管理をしてもらえます。

さいごに

高齢者の薬の管理問題についてご紹介しました。
在宅で介護生活を送っていると、さまざまな疑問や不安が生じます。公的保険のサービスを活用して薬の服用管理をしてもらうと本人にとっても、家族にとっても安心です。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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