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高齢者虐待防止研修【基礎編】地域包括支援センター長解説!

 

 

超!わかる 介護施設シリーズ

「地域包括支援センター長解説!高齢者虐待防止研修【基礎編】」

高齢者虐待問題において意識すべきこと

今回のテーマは「高齢者虐待」についてですが、虐待をしている人に対して、責めることが目的ではありません高齢者虐待防止法に明記されているように、虐待者に寄り添うことを考え、支援することが大切です。

また、「虐待されている人を助けなければならない」。この視点ばかりが強く出てしまうのが高齢者虐待対応の落とし穴です。「虐待されている人を保護して終わり」ではありません。虐待者も根本を解決していかないと、同じような問題が生まれてしまいます。

1_虐待に至った背景を考える

高齢者虐待を受けている人の共通点

高齢者虐待を受けている人には、どのような共通点があるでしょうか。

厚生労働省の調査によると、虐待を受けている高齢者の約8割は認知症です。認知症の介護は思うようにいかず、さまざまな苦悩があります。身体的、精神的ストレスを抱え、自分を責めるなどして、感情が相まり、虐待を引き起こしていることが多くあります。さらに、高齢者虐待には、虐待者に「虐待している」自覚があるとは限らないという特徴もあります。

この2点を抑えた上で、介護ストレスと合わせて、次の高齢者虐待に至ってしまう要因となる背景と、高齢者虐待の種類ごとの要因を知識として知っておきましょう。

2_高齢者虐待問題のポイント

高齢者虐待に至る介護ストレスと重なると危険な要因

【 経済的問題 】
経済的に余裕がなくなり、先行きが見えない不安です。これに自分の家族の介護が重なり、数年間続いたとしたらどうでしょうか。

【 近隣・家族との関係が希薄 】
相談相手がいないこと。「よく相談してくれましたね」「一緒に考えましょう」。そう言ってもらえる相手が近くにいないと人は辛さを感じます。

【 介護に関する知識不足 】
介護をどのようにすれば良いか分からず、誰に相談したら良いのかも分からない。そのような人がいたら、地域包括支援センターがあることを教えてあげてください。

3_介護の相談をしたいときは

高齢者虐待の種類ごとの要因

①身体拘束
虐待の中で見落としがちなのは、身体的虐待です。「ベッドに縛る」「家のドアを中から開かないよう鍵をかける」といった行動を拘束する行為も身体的虐待にあたります。

②心理的虐待
同じことを何度も聞いてくるため、「怒鳴る」「無視する」。人前で「認知症だから」「ボケているから」など認知症である本人の前で言い、精神的に苦痛を与えるなどが該当します。

③経済的虐待
親の年金を自分の生活費に使っているケースが分かりやすい例ですが、子供が親のお金を管理して、お金が自分のもののように思えてくる場合は経済的虐待にあたります。親が了承してお小遣いとして渡しているなら大丈夫です。

④介護放棄(ネグレクト)
世話の放棄が意図的か否かは虐待を判断をする上で関係ありません。例えば本人が水分を摂ろうとせず、ほっておいて脱水状態になったとします。年を取ったから水分は少しで足りていると捉えてそうなった場合、介護者に悪意があるとは言い難いですが、結果としてその状況が不適切であればネグレクトに当たります。

⑤性的虐待
本人に性的な行為を行う、排泄を失敗するから下半身を裸にして放置するといった行為があたります。性的虐待とはちょっとずれますが、施設介護では、排泄・入浴介護の際、プライバシーに配慮することに注意する必要があります。

さいごに

介護は肉体的にも精神的にも1人ではできません。頼れる人がいない場合は、地域包括支援センターに相談して、対策を一緒に考えてもらいましょう。

「まごころ介護のお役立ち動画コラム」では、介護に関するさまざまな情報を分かりやすく発信しています。ぜひ動画もご視聴ください。(※専門家により解釈が異なる場合があります)

監修

福井寛之(ふくい ひろゆき)

社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。

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