まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

脳を活性化させる4つの認知症予防療法


認知症治療は、薬による治療(薬物療法)だけでなく、薬を使わずに脳を活性化して残っている認知機能や生活能力を高める治療法(非薬物療法)があります。非薬物療法には、回想法、学習療法など様々な方法があり、生活の質を上げるという面では、薬物療法以上の効果も期待されます。
今回は認知症予防や進行を遅らせることが期待できる非薬物療法についてお伝えします。

回想法って何?

認知症の方は、最近の記憶を保つことは困難ですが、昔の記憶は保持されています。昔のことを思い出して言葉にすることで脳が活性化し、活動性・自発性・集中力の向上につながり、認知症の進行予防となります。また、昔の思い出は精神的な安定にも効果が期待できます。

回想法の基本と実践方法

回想法の実践方法

2人で行う個人回想法と10名前後で行うグループ回想法があります。ここでは自宅でも気軽にできる、個人回想法をお伝えします。
個人回想法では、何気ない日常生活の会話からスタートする方法と、あらかじめ決めたテーマについて1対1の面談という形があります。形式にこだわらずに自宅で昔のドラマを見たり、昔よく聴いていた音楽をかけながら、家族間で会話をすることや、在宅介護の訪問スタッフがコミュニケーションの一環として昔の思い出を聞くことでも回想法を取り入れることができます。

回想法に必要な道具

  • 写真

  • 音楽CD

  • 新聞

  • おもちゃ

  • 生活用品

  • 地図

  • 地域の特産物

など昔のことを想起しやすいものを用意します。

回想法を受けられる施設

回想法は認知症のアプローチとして実施されることが多くあります。全国の病院や高齢者施設、デイケアのサービスで行われています。

学習療法って何?

学習療法は、国(文部科学省管轄)の共同プロジェクトから生まれた「認知症の維持・改善を目的とした非薬物療法」です。

くもん学習療法

くもん学習療法は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授とくもん学習療法センターの共同研究により誕生しました。川島教授は、何をするときに脳が活性化するのかを調べた結果、簡単な計算問題を解いているときや、本を音読しているときに前頭前野(ぜんとうぜんや)を中心とした脳が活性化することがわかりました。前頭前野が活性化されると、人は活発になり、記憶力や集中力も高まることがわかっています。

前頭前野の働き

  • 考える

  • 行動や感情をコントロールする

  • コミュニケーションをする

  • 記憶する

  • 応用する

  • 集中する

  • やる気を出す

■「 脳を鍛える大人のドリル」の活用

脳科学の研究からわかっていることは、難しい問題を解いたり、テレビゲームをしたりすることではあまり脳は働かないということです。
反対に、簡単な(8+3=)のような計算を素早く解いたり、文章を音読しているとき、年齢に関わらず脳全体が活性化します。
時間も5分~10分程度です。

「脳を鍛える大人のドリル」シリーズ


「脳を鍛える大人のドリル」シリーズは東北大学・川島隆太教授の研究に基づき脳を若く健康に保ち、脳の働きを向上させるために開発されたトレーニングブックです。

くもん出版ホームぺージより引用

音楽療養とは

音楽療法は認知症患者が利用する多くの施設で実施しています。好きな音楽を聴いたり、カスタネットなどの簡単な楽器を奏でたり、カラオケで歌うなど、音楽を通じて脳を活性化させるリハビリテーション法のひとつです。音楽療法は、脳を活性化させるばかりでなく、気持ちを落ち着かせるリラクゼーション効果もあり、食欲が増す、よく眠れる、笑顔が増えるなどの好ましい結果を生みます。回想法と同様に昔のことを思い出し、さらに脳を活性化させる効果も期待できます。そのため、認知症患者が利用する多くの施設で実施されています。

エイジング音楽療法コンテンツ「健康王国」

カラオケJOYSOUNDで知られている株式会社エイジングが展開する音楽療養コンテンツ「健康王国」は軽度認知障害(MCI)者を対象として症状改善を目的とした臨床試験を行い、軽度認知障害(MCI)者に対する補完代替医療法に「健康王国」コンテンツの有効性並びに適用性を確認しました。

健康王国プログラム

対象者が興味を持ち、楽しみながら取り組むことができるため、こころと体の健康につながることが期待されています。
対象:健常な方からの介護・支援が必要な方まで、老若男女問いません。

  • 体を動かす

    体を動かす。心を動かす。健康と笑顔のみなもとへ。

    座位、立位、口腔体操などが300 種類以上。季節や介護度、好みに合わせて多彩な体操が行えます。

  • 観る・癒す

    観て、聴いて、楽しむ。懐かしさと美しさに包まれる。

    昭和の映像や癒しのミュージックなど、200種類以上。利用者同士、スタッフと利用者のコミュニケーションのきっかけにもなります。

  • 遊ぶ

    楽しみながら頭の体操。豊かな歓びが生まれる。

    クイズなどで多彩なレクリエーションが行えます。レクリエーションが苦手なスタッフでも楽しいレクリエーションが提供できます。

  • 歌う

    豊富な曲、映像で歌うことがさらに楽しく。

    総楽曲数10万曲以上。歌声入り楽曲や季節のメドレーなど、合唱やBGMとして幅広く活用できます。

健康王国メリット

  • 利用者

    介護が必要な方から健康な方まで幅広く様々なコンテンツが充実しています。どなたにでも、楽しみながら介護予防に取り組むことができ、飽きずに毎日ご利用頂けます。

  • スタッフ

    豊富なコンテンツ・プログラム機能で健康王国がスタッフの代わりにレクの進行をお手伝いします。目的に合わせた体操や、レクの企画・準備の時間が縮小でき、業務効率アップに繋がります。

  • 施設

    施設間の競争において施設の特徴作り・差別化のアイテムとなります。高い水準でのサービスの平準化が可能となることで安心した事業運営をサポートします。ご家族様や地域の方との交流、スタッフの福利厚生にもご活用いただけます。

株式会社エイジングホームぺージより引用

アニマルセラピーって何?

アニマルセラピーは、動物と触れ合うことで、ストレスの緩和、精神的な落ち着きなどの癒し効果や活動性の向上を促すことを目的としています。現在では、身近な動物である犬を用いたセラピードッグが高齢者施設や病院などを訪問しています。

アニマルセラピーで見込まれる効果

  • 精神的・身体的リハビリの補助

    動くきっかけが少なくなった高齢者が動物と触れ合うことで動物を撫でたり、一緒に歩くことでリハビリに励もうという前向きな気持ちになります。

  • 情緒の安定

    動物と触れ合うことは、リラックス状態を生む神経を刺激し、情緒が安定するといわれています。

  • 意欲の向上

    動物に対してお世話をすることが自然と意欲が芽生えます。

  • 社会的効果

    動物と触れ合うことで、自然と笑顔になり、動物の話題でコミュニケーションが活発になる効果があります。

さいごに

今回は、認知症予防となる脳を活性化させる4つの方法をご紹介しました。
どれも難しい作業ではなく、思い出話を聞いたり、音楽を聴いたりとすぐに取り入れられそうな方法ですね。
それぞれのご家庭で無理をしない程度に取り入れてみてはいかがでしょうか?
楽しく、リラックスした状態で過ごすことで笑顔が増えたり、よく眠れたりと良い効果が期待できます!

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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