老人ホームのご紹介｜vol.2｜ＳＯＭＰＯケア～　一人ひとりに応じたカスタムメイドケアを推進 ～

当社は、ご利用者さまがその地域でいつまでも暮らせるよう、在宅介護から施設運営まで網羅しています。2024年7月現在、居室数は2万8800室にのぼります。「人間尊重」という理念のもと、ご利用者さま一人ひとりに合わせた、カスタムメイドケアを実践しています。今後さらに深刻になる人手不足に備え、デジタル技術の活用によってスタッフの負担軽減とケアの質向上の両立を目指しています。

現場の事例をお伝えすると、ある施設では緊急通報装置（ナースコール）が月に1000回近く鳴っていました。そのログを取り、運用記録を解析したところ、さまざまなことが見えてきました。例えば、あるご利用者さまは、毎朝6時にトイレのためにコールを鳴らしていることが判明しました。そこで、5時45分ごろに先回りして対応したところ、トイレを我慢せずに済み、満足度が向上。スタッフもコール対応に追われることがなくなり、質の高いケアが可能になりました。こうした取り組みで、ナースコールが月4〜5回にまで減りました。データを根拠にしながら、スタッフの判断と工夫で先回りする「IT×リアルなケア」が、当社ならではの特長です。
さらに、業界では、朝7時といった具合に食事の時間に合わせてご利用者さま全員を起こし、食堂へ誘導することが多いですが、生活リズムはご利用者さまによって違います。当社ではその方に合った食事の時間を調整するなど、「その人らしい暮らし」を尊重したケアを心掛けています。

当社では転倒防止や徘徊防止のために使用されるセンサーマットは基本的に使用していません。なぜなら、人は当然動きたいので、ご利用者さまが動くため、センサーマットが反応してしまうんです。スタッフがすぐに向かっても、どうしてもお部屋に着くまでに時間を要します。この行動自体をセンサーマットで防ぐことは難しいと考えています。「転ばないようにどうすればいいか」「転んでも大怪我しないためにはどうすればいいか」といった、より根本的な原因を考え、対策を講じることが大事だと思っています。
当社ではご利用者さまの話をよく聴き、アセスメントしてケアプランを立て、日々のケアを実施しています。そしてそのケアがご利用者さまにとって良かったのかを評価し、次のケアへ繋げていく。このサイクルを大切にしています。

私が介護スタッフをしていたときの話ですが、がんのステージⅣで余命が短いご利用者さまがいらっしゃいました。口から栄養を摂れず中心静脈栄養を使っておられ、感染症罹患のリスクも非常に高い方でしたが、「お風呂に入りたい」「蒸かしたじゃがいもを口から食べたい」とおっしゃったんです。ケアマネや看護師、医師に相談、連携して色々な対策を講じたうえで、どちらの希望も実現しました。その方はしばらくして亡くなられましたが、「カスタムメイドケア」の本質を体現できたと、今でも心に残っています。

地域での多世代交流や、子どもたちに介護のことを知ってもらいたいという想いから、月に一度、「SOMPO流子ども食堂」を開いています。ご利用者さまと一緒に食事をするなど、さまざまな活動を通じて、自然な交流が生まれています。想定外だったのは、子どもたちが学校帰りにラウンジで宿題をしたり、お話をしに来てくれたりするようになった施設があることです。ご利用者さまによっては楽しみになり、子どもたちにとっても社会性や思いやりを育む場になっています。こうした関わりが、将来の介護人材育成にもつながればと自負しています。

🔗『SOMPO流 子ども食堂』累計提供5万食を突破

介護は「こうするのが当たり前」とされがちですが、本当に大事なのは、その人らしさをどう守り、引き出せるかだと思います。当社は現場で工夫し、学びながら、最適なケアを探っています。
ITは介護をサポートする手段でありますが、もはやより良いケア実現に欠かせないツールでもあります。今後も人の力とITを融合させた「カスタムメイドケア」で日本の介護を担ってまいります。

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