まごころ介護のお役立ち動画コラム
MAGOCORO MOVIE COLUMN
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超!わかる 介護施設シリーズ
もしもに備えて知りたい~徘徊時に居場所を見つける方法~
社会問題の一つである「認知症による徘徊」。コロナウイルスの影響により一時的に落ち着いていましたが、その後は増加傾向に戻り、行方不明者数は右肩上がりに増え続けています。
そこで、今回は「徘徊防止に役立つ」商品をご紹介します。
警察庁発表の「令和4年における行方不明者の状況」によると、認知症またはその疑いによる行方不明者は18,709人。行方不明から5日目以降は発見生存率0%という調査結果もあり、今後も予防が必須と言えます。
認知症またはその疑いによる行方不明者数の推移
※警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和4年における行方不明者の状況」をもとに当社で作成
地域包括支援センターにも徘徊の悩みが多く寄せられており、「徘徊をしないよう内カギをしても良いか」などご家族から相談を受けるケースも。
ご家族からすれば、事故に合わないようにという想いでおっしゃっていると思いますが、これは身体拘束に当たると考えられます。
とはいえ、徘徊してしまうとさまざまなリスクがあり、ご家族もソーシャルワーカーも頭を抱える問題です。
徘徊を完ぺきに防ぐことは難しいかもしれませんが、徘徊を予防することができれば、介護者の方の精神的な負担は一気に軽くなるはずです。
下記でご紹介している商品は比較的取り扱いやすいので、皆さまにあったものを活用してみてはいかがでしょうか。
徘徊感知機器|iTSUMO(いつも)
「iTSUMO」は、利用者の靴の甲部分などにアタッチメントを取り付けて、あらかじめ玄関ドアに取り付けたセンサーと連動させることで、外出を知らせる機器として開発されました。
オプションでGPSを追加すると、アプリで現在地や移動履歴が把握できます。自治体によりますが、介護保険で利用した場合、月額1,500円~2,000円ほどで使用することが可能です。
介護保険を利用するので、ケアマネジャーをはじめ、地域の福祉用具店や介護サービス事業所などの協力を得やすく、定期的に必要な充電もデイサービスやヘルパーに依頼するといった使い方もできます。
デメリットは充電です。充電は使用状況によって大きく変わりますが、最短3日~最長1ヵ月程度なので、誰が充電するのか決めておく必要があるでしょう。
二次元コード|救急QR(キューキューキューアール)
「救急QR」は、コードが読み込まれると、救護者のスマートフォンに緊急時に必要な情報が表示されます。
同時に、あらかじめ登録した家族などの連絡先へ、コードが読み込まれた日時と場所を知らせるメールが自動送信されます。
商品はAmazonなどで999円(税込)で販売され、利用期間はユーザー登録から10年間もあり、月額もありません。コードは印刷できるのでシールにして服や靴に貼り付けることもできます。
ただ、この商品は皆が知らないと機能しないことが最大の欠点です。
紛失防止タグ|AirTag(エアタグ)
「AirTag」は、鍵や鞄など持ち物を探し出すキーホルダーとして開発されましたが、探すという観点から一部、介護業界でも活用されています。
4,980円(税込)の買い切りで、充電しなくても使用できるメリットがあります。
ただ、利用者の靴に取り付けることは難しく、設置場所に悩まされます。また、Appleユーザーの位置情報を使うので、デバイスが無いと探し出すことができません。
商品名 | メリット | デメリット |
---|---|---|
iTSUMO (いつも) |
〇専用アプリで現在地や移動履歴が分かる 〇介護保険が利用できる(※自治体で異なる) 〇月額1,500円から使用できる |
〇充電する人を決める必要がある 〇月々の支払いがある |
救急QR (キューキュー キューアール) |
〇読み取ると利用者情報が分かる 〇家族などの登録者にコードが読み込まれた日時・場所をお知らせ 〇購入費1,000円で使用できる |
〇発見者が「救急QR」を知らないと機能しない |
AirTag (エアタグ) |
〇買い切りで使用できる 〇充電が不要 |
〇Appleデバイスが無いと探せない 〇靴などに取付できない |
ご紹介した商品も完璧だとは言い難いですが、10年前と比べると、さまざまなサービスが誕生したり、既存の製品の改良が進んだりしています。
今後もアンテナを張って新しい情報をお伝えしていきたいと思います。
今回は徘徊時に居場所を見付けられる商品をご紹介しました。これらの商品で社会課題を解決できると良いですね。
「まごころ介護のお役立ち動画コラム」では、介護に関するさまざまな情報を分かりやすく発信しています。ぜひ動画もご視聴ください(※専門家により解釈が異なる場合があります)。
\ 福祉の福ちゃんが講師を務める「介護・福祉セミナー」を開催しています /
監修
福井寛之(ふくい ひろゆき)
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。
公開日:2024年7月4日 更新日:2024年7月24日
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