まごころ介護のお役立ち動画コラム

MAGOCORO MOVIE COLUMN

【介護新人研修】認知症対応の3つの秘訣!明日から現場が変わる実践的アプローチ

当サイトでは、動画の内容を加筆・編集して作成しています。

 

【介護新人研修】認知症対応の3つの秘訣!明日から現場が変わる実践的アプローチ

はじめに:介護の現場で輝くために~認知症対応の3つの視点~

介護の仕事は、時に困難に直面することもありますが、その中で喜びややりがいを見出し、長く続けていくためには、技術だけでなく、利用者の方への深い理解と寄り添う心が不可欠です。
この新人研修シリーズでは、明日からすぐに実践できる、シンプルでありながら効果的な認知症対応の3つのポイントに焦点を当て、皆さんがこの仕事を楽しみ、息長く続けていくための一助となることを目指します。

公園を散歩する介護士と車椅子の高齢者女性

本研修シリーズのコンセプト:介護の魅力を発見する

この新人研修シリーズは、介護の仕事が辛いと感じる前に、その奥にある魅力に気づき、長くこの仕事を続けてもらうことを目的としています。
これまでの研修では、「介護の魅力」と「高齢者の方々が持つ力」について学びました。まだご覧になっていない方は、ぜひ過去の研修シリーズも振り返ってみてください。

過去コラム:
【介護職の真実】私が伝えたい、この仕事の本当の魅力:高齢化社会の救世主

【新人研修シリーズ】高齢者こそ最強の相談者!介護の現場で学ぶ人生の知恵

認知症対応:明日からできる3つの実践的ポイント

今回は、認知症の方への対応において、明日からすぐに実践できる、具体的かつシンプルな3つのポイントに絞ってお伝えします。
チームの一人ひとりがほんの少し意識を変えるだけで、現場の雰囲気は大きく変わるはずです。

不安げな表情で一点を見つめる高齢者

ポイント1: 認知症の方は「とにかく不安なんだ」を理解する

優しい皆さんは、入職当初は利用者の方に丁寧に接していたはずです。しかし、忙しい業務の中で、認知症の方への対応が感情的になってしまうことはありませんか?それは、業務をこなすことに意識が集中し、「認知症の方はとにかく不安なんだ」という基本的な視点を、ふとした瞬間に忘れてしまっているからかもしれません。このシンプルな事実を常に心に留めておくだけで、私たちの対応は大きく変わります。

認知症の方が抱える不安とは?

認知症の方は、記憶や認識力の低下により、時間や場所、人物などが分からなくなることがあります。これにより、常に「ここはどこだろう」「私は誰だろう」「これからどうなるのだろう」といった、言葉にできない大きな不安を抱えています。私たちの何気ない一言や行動も、その不安を増幅させてしまう可能性があることを理解しておく必要があります。

不安への理解がもたらす変化

「認知症の方はとにかく不安なんだ」という視点を持つことで、私たちは感情的な対応を減らし、より穏やかで安心感を与える対応を心がけるようになります。例えば、同じ質問を繰り返されたとしても、根気強く丁寧に答えることができるでしょう。

ポイント2: 対応時は『口角を上げる』

口角を上げながら、意地悪な思考を巡らすことは非常に困難です。眉間にシワを寄せて対応してしまう時もあるかもしれませんが、意識して口角を上げることで、自身の感情も和らぎ、相手に与える印象も大きく変わります。
何度も同じ訴えを繰り返す認知症の方に対して、心の中で「また同じこと言ってる」と思ってしまっても構いません。しかし、表面上は口角を上げ、笑顔で対応する方が、プロフェッショナルとして利用者の方に安心感を与えられますし、結果として自分自身の仕事も楽しくなります。

笑顔の高齢者女性と介護士

笑顔の力:非言語コミュニケーションの重要性

笑顔は、言葉以上に相手に安心感や親近感を与える力を持っています。認知症の方は、言葉によるコミュニケーションが難しい場合でも、表情から相手の感情を読み取ることがあります。温かい笑顔で接することで、利用者の方の不安を和らげ、信頼関係を築くことができるでしょう。

まずは自分から:率先して笑顔で

「そんなこと知っている」と思う方もいるかもしれませんが、実際に現場で常にできているでしょうか?まずは自分から率先して口角を上げ、笑顔でコミュニケーションを試みてください。周りの雰囲気も自然と明るくなるはずです。

ポイント3: 『触れる』コミュニケーションも大切にする

言葉によるコミュニケーションが難しい認知症の方にとって、非言語的なコミュニケーションは非常に重要です。特に「触れる」という行為は、安心感や温もりを直接的に伝えることができます。
子供の頃、親に触れられていると安心した経験は誰にでもあるはずです。手を握る、両手で包み込む、手の甲にそっと手を添える、背中に優しく手を当てる。手のひらの温もりは、言葉以上の安心感を利用者の方に与えます。

高齢者の手を両手で優しく包み込む介護職員

触覚の記憶:安心感の源

触覚は、五感の中でも原始的な感覚であり、安心感や愛情を感じやすいと言われています。
認知症が進行しても、触覚の記憶は比較的長く残ることがあります。温かい手の触れ合いは、言葉が届きにくい方にも、安心感を伝える有効な手段となります。

エピソードから学ぶ「触れる」ケアの効果

約20年前、私が特別養護老人ホームで介護員をしていた頃、2日間眠らずに徘徊を繰り返すおばあちゃんがいました。ベッドに寝かせようとするとすぐに起きてしまうという状況でしたが、ソファーで膝枕をして背中を優しくさすっていると、穏やかに眠ってくれたのです。

また、私の祖母が晩年、「もう死にたい」と毎日言っていた時期がありました。当時の私はかける言葉が見つからず悩んでいましたが、ある時から、何か言葉をかけるわけでもなく、ただ祖母の手を握ったり、背中に手を当てたりするようになりました。すると、祖母は少し落ち着きを取り戻したように感じました。

これらの経験から、言葉だけでなく、「触れる」という非言語コミュニケーションが、認知症の方へのケアにおいて非常に重要であることを実感しました。

【まとめ】明日から実践!認知症対応3つのポイント

この仕事を長く続けていくための認知症対応の3つのポイントを改めてまとめます。

  • 認知症の方はとにかく不安なんだという事を思い出す。

  • 対応する時は口角を上げる。

  • 「触れる」コミュニケーションも大切にする。

研修の活用方法:現場での実践と学びの共有

今回の話を、新しく入った新人研修として活用したり、中堅・ベテランの方々も一緒に、忙しさの中でつい忘れがちな視点に立ち返るきっかけとして活用したりしてください。「口角は上がっているか」「非言語コミュニケーションはできているか」といった視点で、日々のケアを振り返るのも良いでしょう。

また、「触れる」ことの効果について、職員一人ひとりがこれまでのエピソードを語り合うディスカッションは、後輩が先輩の経験や想いを学ぶ上で非常に効果的です。ぜひ、現場での認知症対応、そして職員のモチベーションアップのきっかけとして、今回の話を活用していただけたら嬉しいです。

初心を忘れずに:魅力的な介護職を目指して

私たちは皆、子供の頃は大きな声で元気にあいさつができていたはずです。しかし、大人になるにつれて、そんな簡単なことも忘れてしまうことがあります。施設介護、認知症介護も同じです。最初はできていたことが、慣れてくるにつれてできなくなってしまうからこそ、このような初心を思い出す研修を定期的に行う必要があると思います。

そもそも人間はすぐに忘れてしまう生き物です。今回の話が、認知症対応が現場で自然とできている人にとっては、さらに自身の対応を深めるきっかけになるでしょう。実際に現場で、「この人の対応は素敵だ」と憧れる人が何人かいます。せっかく介護福祉の仕事をするのであれば、そんな魅力的な介護職を目指したいですよね!

以上、新人研修シリーズの認知症対応の3つのポイントでした。

 

\ 福祉の福ちゃんが講師を務める「介護・福祉セミナー」を開催しています /

監修

福井 寛之

You Tuber 福祉の福ちゃん

福井 寛之(ふくい ひろゆき)

専門分野
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)

公開日:2025年5月23日 

関連記事

LINE

老人ホームの選び方ガイドブック無料ダウンロード

TOP

24時間365日 通話料無料でご相談

0120-469-448
コロン