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住宅型老人ホームが「要介護3以上の受け皿」に? 最新データから見えた現状

 

高齢者向け住まい・施設の現状はどうなっている?最新データを元に詳しく解説

福祉・介護関係者の方は高齢者向け住まい・施設の形態について、日頃の業務でよくご存じかと思いますが、それぞれの開設数や定員数は意外と目にする機会が少ないのではないでしょうか。今回は開設状況や定員数の推移、形態別の介護度について最新データをもとにご紹介します。

有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の新規開設数推移

2010年から2024年までの新規開設数の推移を見ると、総量規制のある介護付有料老人ホームは全体的に減少傾向にあります。サービス付き高齢者向け住宅は、2012年から2015年にかけて年間1,000件近く開設されていました。しかし2015年を境に減少に転じ、その年以降は住宅型有料老人ホームの開設数がサ高住を上回る状況が続いています。一方で、住宅型は増減を繰り返しながらも拡大を続け、最も多い施設形態として定着しています。

続いて定員数の推移をみると、サ高住が減少傾向にある一方で住宅型は増加しており、開設推移以上に差が明確に表れています。

2024年には定員総数が4万人を超え、2018年以来の高水準となりました。背景には、三井不動産レジデンシャルウェルネスが住宅型3箇所で約1,600人分を新設したことや、ホスピス型ホームを展開する事業者が32箇所を一挙に開設した影響が大きいと考えられます。

形態別に見る入居者の介護度内訳

入居者の介護度別ではどうでしょうか。2025年における、それぞれの介護度を確認してみましょう。

特養対象者が有料老人ホーム・サ高住を利用

調査によると、全入居者203万人のうち要介護3以上は136万人にのぼりました。その35%にあたる約48万人が有料老人ホーム・サ高住に入居しており、特養の入所対象となる高齢者の一定数が利用していることが分かりました。

住宅型では要介護3以上も受入れる傾向

特に住宅型では要介護3以上の入居者が多く、「住宅型=軽度」という従来のイメージとは異なる実態が浮かび上がっています。呼称が統一されていませんが、ホスピス型住宅(ホスピスホーム)、緩和ケアホーム、ナーシングホームと呼ばれる終末期対応の住宅型が増加している背景もあり、住宅型が重度の方を多く受け入れる傾向が見て取れます。

従来の認識を改めて実態に応じた対応を

今回の調査から、住宅型が顕著に増加し続けており、「住宅型=軽度」という従来の認識は当てはまらず、実際には介護度が高い層の受け皿にもなっていることがわかりました。こうしたデータから見える現状を踏まえ、入居者の実態に応じた支援や連携体制を整えていくことが、ケアマネジャーや介護従事者に求められます。

―データ提供  福祉施設・高齢者住宅Data Base

さいごに

これまで、住宅型やサ高住は軽度といったイメージが強かったかもしれません。しかしデータから、実情とは異なることがお分かりになったのではないでしょうか。こうした現状をふまえ、医療・介護の連携をどう強めていくかが、今後重要になるでしょう。(※専門家により解釈が異なる場合があります)

監修

曽根 隆夫

曽根 隆夫(そね たかお)

保有資格
社会福祉士、精神保健福祉士、認知症ケア専門士
専門分野
高齢者住宅の開設・運営支援のコンサルティング、市場調査

福祉施設・高齢者住宅Data Base (https://koureisha-jutaku-db.com/)

公開日:2025年10月6日 更新日:2025年10月10日

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