老人ホーム施設への紹介事例
INTRODUCTORY CASE
~老人ホーム施設への入居までの実際の紹介事例をご紹介いたします~
相談者
地域包括支援センターから相談
入居者様の情報
| 年齢 | 性別 | 要介護度 | 症状 | 都道府県 |
|---|---|---|---|---|
| 80代前半 | 男性 | 要介護2 | C型肝炎 | 大阪府 |

相談内容
住まいを失い金銭的にも苦しく、治療も継続できていないため老人ホームを探したい
今回は、C型肝炎をお持ちで生活保護を検討している80代の男性について、地域包括支援センターからご相談を受けた事例のご紹介です。
目次

大阪市内で暮らすB様は、同居していた女性から金銭や所持品を全て取られ、住まいも失うという状況に追い込まれました。
家も行く当てもなく、地域包括支援センターに助けを求めたところ、相談員がつてのある大家に掛け合い、なんとかアパートに居住できるようになりました。
B様には身寄りがなく、ご両親は戦争で亡くなられ、兄弟もいらっしゃいません。
これまで生活保護の申請をしていましたが認められず、金銭的に極めて厳しい状況が続いていました。C型肝炎で入院し、退院後は治療を継続する必要がありましたが、医療費が払えず未払いも続き、受診もできずにいました。
食事も摂れない日もあると聞き、地域包括支援センターの相談員から、当ワントップパートナー江坂本店に「生活保護の申請と並行して、受け入れ可能な老人ホームを探してほしい」と依頼がありました。

ご希望は、通院している病院に近いことのみでした。まず、3箇所ほど地域包括の相談員に提案。「提案施設の1つがB様にとって良いだろうから、良かったらここに決めます」とのことでした。
見学には、B様、相談員と参りましたが、私が事前に把握していた施設状況と一転。数日前に、退職者が相次ぎ、人手不足に陥っていました。B様は「ここで良いですよ」とおっしゃいましたが、担当者と協議し、見合わせることにしました。
その足で、近隣にある住宅型を見学したところ、個室にトイレがなく設備も古い印象でしたが、B様は「ここでいい」と仮予約しました。
しかし、どうも我々は納得しきれなかったため再度調べたところ、そのホームの系列が最近新設されたことを知り、見学しました。新築なので当然きれいで、「個室にトイレあり」「通院先にもさらに近い」「病院への定期バスあり」と三拍子揃いで条件が大きく改善したため、すぐにこちらを本予約としました。

入居日が決まり、その日に合わせて部屋の解約手続き、生活保護申請の準備など相談員とスケジュールを合わせて動いていました。
しかし、3日前の夜、B様が自宅トイレで倒れ、翌朝に訪問看護のスタッフが気付いて緊急搬送されました。
診断は、「横紋筋融解症」という骨格筋が壊れ、筋肉内の成分が血中に流れ込んでしまう病気でした。元々は杖歩行が可能でしたが、入院中は車椅子中心の生活となり、ADLが低下したため、区分変更を行い、退院後はそのままホームへ直行する流れとなりました。

退院当日は、私が病院へ迎えに行き、B様、地域包括センターの相談員と3人でB様のご自宅へ向かいました。
まず荷物を積み込みホームへ移動。入居手続きと生活保護申請をお二人にお願いしている間、防火カーテンの購入や再度自宅に戻って荷物の運び込みを行いました。
ところが、ホームに着くとB様が「荷物が多すぎて…」とおっしゃったので、再度自宅に戻り、荷物を減らして再搬入しました。
さらに入居から3日後には「持って帰ってもらったテレビ台がやっぱり欲しい」とおっしゃり、再びご自宅からピックアップし、お届けしました。
その際、入浴介助のタイミングでしたが、B様自ら歩いて動かれていました。B様の急な入院、荷物の移動、調整で慌ただしい日もありましたが、治療と食事が確保された環境を整えられ胸をなでおろしています。

取材記者/加藤より
堀井 翠ワントップパートナー江坂本店
自分の家族に入居してもらいたいかを基準にホームを選んでいます。提案する前に自分の目で現地を確認し、医療対応の範囲や、館内・スタッフの雰囲気まで細かく見たうえで、ご本人に合うかを総合的に判断しています。
また、その方に合っていると思ったら、費用面の条件が難しくても、まずは相談するようにしています。
最近では、私のことを直接知らない方から「話を聞いたので相談したい」と連絡をいただく機会も増えてきました。今後もご本人・ご家族・支援者に寄り添い、一人ひとりが安心して暮らせる環境づくりを目指してまいります。
公開日:2025年12月3日