まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

寝たきり予防に効果的な体操

運動する女性
現在、日本人の平均寿命は女性が87.74 歳、男性が81.64 歳で過去最高を更新しています。健康意識の高まりから、さらに寿命が延びる可能性もある一方、自立して生活できる健康寿命は女性が75.37 歳、男性が72.68 歳で平均寿命との差は大きくあいています。高齢者が寝たきりになると、本人はもちろん、介護をする家族も肉体的、精神的に負担がかかります。今回は、寝たきりにならないために、寝たきりの原因と予防対策についてご紹介します。

寝たきりになってしまう原因

厚生労働省の調査によると、要介護状態になる原因として、認知症・脳血管疾患が主な原因となっています。

認知症・・・17.6%
脳血管疾患・・・16.1%
高齢による衰弱・・・12.8%
骨折・転倒・・・12.5%
関節疾患・・・10.8%

資料:厚生労働省平成29年「国民生活基礎調査」より

寝たきりになってしまう要因

身体的

寝たきりの原因のひとつは病気です。生活習慣病、高血圧、脳血管疾患、がんといった病気にかかると長期間の入院や治療を余儀なくされます。

脳血管疾患:身体に麻痺が残ることもあり、思うように動けない状態になる可能性があります。

がん:近年は完治も不可能ではなくなっていますが、高齢者にとって治療はかなりの負担の上、治療中は免疫力も大幅に低下してしまうので、軽い風邪が肺炎にまで重症化する可能性があります。

関節リウマチ・骨折:治療に時間がかかり、痛みやしびれなどから、身体を動かすことが億劫になりがちです。

精神的

活動の機会が減る → 人と接する機会が減る → 脳への刺激がなくなる → 認知機能が退化しやすい
心と身体は一体であり、心が元気でなければ必然的に身体機能も弱っていきます。

寝たきりを予防するための対策

座ることを意識する

まずは「寝ている状態=ラクな状態」と思わないことです。1 週間寝た状態を続けると、筋力が1~2 割低下し、骨量も低下するといわれています。また、関節が固くなる、心肺機能が低下する、噛む力・飲み込む力が低下することも分かっています。座ることで覚醒レベルをアップさせ、心肺機能・バランス力のアップ、噛む力・飲み込む力のアップなどが期待できます。床ずれ予防や便秘の改善などにもなるので、横になるよりも座るようにしましょう。

栄養をしっかり摂る

介護が必要になってしまう高齢者は、低栄養になっている人が多いといわれています。低栄養になると、免疫力も下がり、感染症になる危険度もアップします。バランスの良い食事をするなど、毎日食べるものに気を付けるようにしましょう。

口や歯のケアを行う

噛む力を維持するには、口腔内のケアが必須です。また、誤嚥性肺炎や病気の予防のためにも、口腔内ケアをしっかり行いましょう。

適度な運動をする

寝たきり防止には、足腰の筋力もポイント。負担にならない範囲でストレッチをしたり、外に出て散歩をしたりして、身体を動かすようにしてください。

人と会う機会を作る

脳には一定の刺激が必要で、刺激がなければ認知症のリスクが高まったり、免疫力が低下したりするといわれています。そうならないためにも、誰かと会って会話や交流をすることが重要です。デイサービスなどの介護サービスを利用して、仲間やスタッフと交流するのもよいですね。人とのつながりを実感することで、精神が安定しうつ病などの予防になります。

寝たきりの予防に効果的な体操

寝たきりの予防には、足腰の筋力を維持し、転倒によるけがを防ぐための体操がおすすめです。無理なく続けられる体操を生活に取り入れ、寝たきりを遠ざけましょう。

片足立ち

床から5cm ほど片足を浮かせて立つ方法です。左右それぞれ1 分ずつ、1 日に3 セットほどが理想です。

スクワット

両足を肩幅に広げて立ち、つま先を30 度ほど外側に向けます。お尻を後ろに突き出すようにしたら、ひざをゆっくり曲げます。
ポイント
・ひざは足の先より前に出さないようにします。
・ひざの曲がる角度が90 度になるくらいまでが目安ですが、無理のないところで止めてOKです。
・屈伸した後は、ゆっくりとひざを伸ばしながら元の姿勢に戻します。
・1日3 セットほどが目安ですが、体力に応じて回数にこだわらず続けていくようにしましょう。

寝たきりにならないためのリハビリ方法

治療や入院など、ベッドの上で過ごす時間が長くなると、どうしても筋力の低下が起きます。
そのまま放置していると、寝たきりにつながるため、リハビリを行って予防しましょう。
基本は、できる範囲で身体を動かしていくことです。

脚の体操

ベッドの背もたれを、無理のない位置まで起こし、片足ずつ曲げて(ひざを立てて)胸に近づけます。

腕の体操

ベッドの背もたれを、無理のない位置まで起こしておきます。両手でフェイスタオル(もしくは細長い筒状のもの・新聞紙など)の両端を持ち、ひじを伸ばしたまま頭上に向けて腕を上げていきます。

さいごに

寝たきり予防に効果的な体操についてご紹介しました。
脚や腕を動かしたり、手首や足首を回したりするだけで、血流も良くなりますし、気分転換にもなります。ゆっくりとご自分のペースで身体を動かしてみて下さい。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

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